GoProが新たなマーケットへと軸足を移しています。今度のGoPro HERO 9 Blackのリーク情報によると、最初の取り掛かりはカメラのフロント部分にディスプレイが設けられるようです。Web会議の参加者やYouTubeなどのvlogerをターゲットに、新たな顧客層への浸透を加速させているのでしょう。リークの概要とその背景をみてみましょう。
GoProが覗かせた前面ディスプレイのリーク
アクションカメラは、自分の視点から未編集の動画を記録するのに適しており、自撮り動画やvlogの撮影にも使用されます。GoProカメラが抱えていた大きな課題は、自撮り中にどのように録画・撮影されているかを確認できない点にありました。前面ディスプレイはカメラ設定を表示するための、単純なLCD画面に過ぎなかったからです。
そのGoProから素晴らしいアップデートがありそうです。WinFutureの最新情報によると、次のGoProであるGoPro HERO 9 Blackは、前面にカラーディスプレイを搭載して登場するとのこと。背面のメイン画面に比べるとまだまだ小型ですが、少なくともユーザーは、GoProを自分に向けながらその様子を表示できるようです。その他のリークの詳細としては、おそらくファームウェアの更新を介した、5K対応も将来的には視野に入ってくるようです。通常の折りたたみ式取り付けアームも見えるので、ケースがない場合も小さなカメラをマウントさせられます。とは言っても、まだまだリークの詳細はそれほど多くはありませんので続報が待たれます。
GoProはアウトドアからインドアへ
GoProはアクションカメラ市場を作り出したか、少なくとも普及させた大きな存在でした。ところがその圧倒的な市場シェアは競合他社や模倣者によって食い物にされ、長く苦境に立たされていました。COVID-19の流行がコアビジネスに大きな打撃を与えていた傍ら、GoProは並行して新領域への進出を目論見ていました。かつてはアウトドアやスポーツシーンで堂々たる立ち位置を作り上げたGoProが、別の顧客層へ訴求を開始したのです。カメラを自らに向けて、その様子をリアルタイムに確認したい人たち、すなわちYouTuberと呼ばれるVlogerやWeb会議の参加者、オンラインセミナーの主催者です。
2020年が後半に近くにつれ、Webカメラの需要が高まっています。今や市民権を獲得したWeb会議やオンラインミーティングの類です。自宅やリモートで仕事をする機会が圧倒的に増えたため、会議はオンラインへ移行しました。そのおかげでカメラを閉じて会議に参加できる点は一部のユーザーには歓迎された一方で「綺麗な映像でライブ配信をしたい」あるいは「Web会議での写りをよくしたい」というニーズを高めたことも確かです。リッチな機器を揃えて豪華な自宅配信を実現している人もいれば、「あの人のカメラ映像はやたら綺麗だな」と感想をこぼすシーンも増えてきているはずです。
GoProは、GoPro Plusに新たなサブスクリプションメニューを追加して変化に柔軟に対応しています。アウトドアを主戦場としていたGoProが、比較的静止した形で、インドアの扉を開こうとしているのです。
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