人間の脳のように学習する電子細胞開発中

アメリカのマサチューセッツ大学とアマースト大学の共同研究チームは、人間の脳のように作動し将来的に私たちの身体と結合させることが可能になるかもしれない電子細胞を設計した、と4月20日の「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載しました。

現在、同研究チームは生物学的シナプスに代わる人工的な代替品を見つけたと主張しています。これは、タンパク質ナノワイヤーの研究により、脳と同じ範囲の電圧レベルで動作するニューロモーフィックをコンピューティングしたもので、研究者のジュン・ヤオ氏は「デバイスが脳と同じ電圧レベルで機能できるのはこれが初めて」と述べています。

ソフトウェアベースとは異なる学習機能、人工脳構築への期待高まる

タンパク質ナノワイヤーはシリコンナノワイヤーと比べて水や体液などの液体内で安定しやすい性質があり、チームは微生物を利用した導電性タンパク質の実験を通して、脳内の生物学的対応と同じくらい電力効率の良いデバイスを作成できるとの発想に至ったそうです。電子細胞は、正電荷と負電荷の小さなオンオフパルスをナノワイヤーに通して作成されました。ヤオ氏によると、この方法がまさしく脳の学習方法に類似しているため、細胞同士が記憶として新しいつながりを築くことが可能になります。ただし、これらの電子回路を頭蓋骨の内部で成長するものと同じくらい効率的に動作させたり、脳細胞のように学習させたりするまでにはまだ少し時間がかかる見込みです。

人工的な電子細胞の導電率と可塑性を調整し、より低い電力で生物学的な電圧にも対応できるようなれば、近い将来人体シームレスに結合できる電子機器が開発されるかもしれません。真の人工脳を構築できるようになるまでにはまだ長い道のりがありますが、ヤオ氏ら研究者界隈では、心拍数を監視する電子機器への応用も思索中とのことです。

画期的な電子細胞の研究過程から、これからも目が離せません。

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