MITが開発中の「スプレー可能なユーザーインターフェース」でどんな物体もリモコンに変身

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちが、特殊なインクを吹き付けることで、様々な表面をインタラクティブなユーザーインターフェースにできる「Sprayable User Interface(スプレー可能なUI)」を発表しました。この技術は、米国のパロアルト研究センターのMark Weiser(マーク・ワイザー)氏のアイデアと、1991年に発表された彼の論文「The Computer for the 21st Century(21世紀のコンピューター)」に基づいたものです。

1991年の論文発表当時、コンピューターと物理的な環境がシームレス(境目なし)に融合される時代が来るというアイデアは、先を行き過ぎて物議をかもしました。今週発表されたMITのレポートで発表されたスプレー可能なUIは、ワイザー氏が描いていた未来に一歩近づくテクノロジーです。

MITが開発中の「スプレー可能なUI」とは、様々な物体の表面に伝導性を持ったスプレーでセンサーを描き、その表面に触ることでデジタル機器を操作できるシステムです。公開されたビデオでは、MITの研究者が実際にソファに座る動作でテレビをコントロールしたり、壁に触ることで照明を調整したりするデモンストレーションを見ることができます。

「スプレー可能なUI」を作るには、3DエディターでUIをデザインし、デザインからステンシルを作成します。次に、作成したステンシルを使って、表面に伝導性を持った銅のスプレーを吹き付け、さらにその上にデザインをスプレーするだけです。スプレーペイントは、3Dプリントやインクジェット印刷などとは異なり、面積の制限がないほか、様々な質感の表面に塗布が可能です。

実際、「スプレー可能なUI」は、小さなスペースから壁全体など広い範囲まで対応可能なほか、壁紙、コンクリート、木材、タイルなど、様々な素材に対応しており、さらに濡れた場所や屋外でも活用できるそうです。

まだプロトタイプの段階ではありますが、この「スプレー可能なUI」が実用化されれば、どんな物体でもユーザーインターフェースへと変身させることができ、その用途に想像が膨らみます。私たちの周りから物理的なスイッチやボタン、リモコンがなくなる、スタイリッシュな未来もそう遠くないかもしれません。

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