マスタング マッハEに7基のモーター 1,400馬力のドリフトマシン

マスタング マッハEはまだ発売されていませんが、フォード・パフォーマンスとRTRの手により、7基のモーターを搭載して1,400馬力を発揮するドリフトモンスターに変身しました。新たな市場開拓と研究のために生まれたプロトタイプをご紹介します。

「マスタング マッハE 1400」と名付けられたこのモデルは、マッハE GTをベースに、ドリフトチャンピオンであるヴォーン・ギッティン・ジュニアの協力を得て開発されました。

YouTubeで公開されたフォード マスタング マッハE 1400の動画。音に注目。

公開された動画では、マッハE 1400が「モーター音」を響かせながらドリフトを決めるシーンが確認できます。EVは静かに走る、という常識はフォードには通じないようです。

マスタング マッハE 1400

7基の電気モーター。予想される最高出力は1,400馬力。山盛りのダウンフォースに、ゴムを切り裂くトルク。もし、あなたがまだ、EVが退屈で敬虔なものだと思っていたとしたら、このマッハEはすぐにその価値観を修正してくれるでしょう。

モーターのうち3基はフロントデフに取り付けられています。残りの4基は、パンケーキのような形でリアに配置されており、1本のドライブシャフトでデフに取り付けられています。

マスタング マッハE 1400

これは、ただ単にパワーを自慢するためだけでなく、柔軟性にも優れた設計です。というのも、マッハE 1400は、「楽しむ」ために作られたという一面もありますが、他方では「学習」のためのモデルでもあるのです。

「マスタング マッハ-E 1400は、EVで可能なテクノロジーのショーケースです 」

フォード・パフォーマンスのモータースポーツディレクター、マーク・ラッシュブルック氏はこのように説明しています。

まず第一に、モーター配置のレイアウトや駆動方式について検討し、エネルギー消費とパフォーマンスにどのような影響を与えるかを調べるための手段です。

パワーはすべて前輪、または後輪に向けるか、あるいは前後で分割することができます。また、フロントのコントロールアームとステアリングの変更により、ドリフトマシンからサーキットマシンへと変化します。

もちろん、パワートレインだけでなくダウンフォースも強力です。

大型の冷却ダクト、フロントスプリッター、ダイブプレーン、巨大なリアウイングを装備。時速257kmで、1トン以上のダウンフォースを発揮とのこと。マンボウを1匹載せて走っているのと同じです。

マスタング マッハE 1400

もう1つの研究課題は冷却です。56.8kWhのバッテリーは、高い密度と放電率を得るために、ニッケルマンガンコバルトを使用しています。冷却性能の高いシステムを導入し、充電時の過熱も抑制します。

減速時には、回生ブレーキと電子ブレーキブースターを使用します。ABSとスタビリティコントロールを備え、ブレンボ製ブレーキによる物理的な減速でも安定性を維持できるようにしました。

マスタング マッハE 1400

ドリフト目的で油圧ハンドブレーキシステムが装備されており、リアモーターへのパワーを遮断して後輪を滑らせることができます。

ボディには、軽量かつ高強度のカーボンファイバーを主に使用しています。フォードは、より軽量で環境に優しい有機複合繊維の使用も検討しており、今回はボンネットの素材となっています。

マスタング マッハE 1400

マスタング マッハEのチーフプログラムエンジニアであるロン・ハイザー氏は、次のように語っています。

「マスタング マッハEは、これまでの全てのマスタングと同様に、運転するのが楽しくなるでしょう。しかし、マッハE 1400は、フォード・パフォーマンスとRTRの努力によって最高のマシンと化しました」

右:マスタング マッハE 左:マスタング マッハE 1400

EVにとって最も厳しい潜在市場の1つであるNASCARファンを納得させるために、近々開催されるレースでの公開デビューに向けて走り出すことになるでしょう。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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