90年代半ば、究極のBMWのひとつが「850CSi」でした。その時代にしては非常に見栄えの良いクルマで、大きなV12エンジンを搭載していました。画像の車両は、走行距離が約6万4,000kmという非常に珍しい個体で、現在オークションに出品されています。
クラシックなV12エンジンを搭載したBMWで、これほどクリーンな状態で走行距離が少ないのは、それだけでも十分に希少価値があります。このクルマが他と違うのは、6速MTを搭載していることと、デイトナバイオレット(Daytona Violet)と呼ばれる美しい紫の外装色に塗装されていることです。
写真の車両は、この色で生産されたアメリカで唯一の850CSiであるとのこと。また、デイトナバイオレットにロータスホワイトを組み合わせた特注のインテリアも特徴的です。この色の組み合わせは、「E31」では世界で唯一だといいます。
MシステムIIの17インチホイールを履き、内装パネルにはユーウッドを採用。E31は90年代のBMWのフラッグシップモデルで、5.6L V型12気筒エンジンから最高出力372馬力、最大トルク545Nmを発生します。当時としては驚異的なパフォーマンスでした。
また、マクラーレンのアイコン的存在である「F1」で使用されたことも、このエンジンの特徴です。その他、純正携帯電話、オンボードコンピューター、6枚組CDチェンジャー、シートヒーター&パワーアジャストフロントシート、LSD、スピード可変ステアリングなどの装備も充実しています。
この希少なクルマの入札は、執筆時点で64,000ドル(約670万円)までとなっています。これ以上に希少なクルマはないので、希少なBMWのファンは、この1台に注目してはいかがでしょうか。
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