ドイツ人がEVを作るとこうなる 航空宇宙センターDLR「U-Shift」プロトタイプ

先週、独シュトゥットガルトのバーデン・ヴュルテンベルクで開催された自動車部門の戦略的対話会議で、「DLR U-Shift」のプロトタイプが発表されました。ドイツ航空宇宙センター(Deutsches Zentrum für Luft und Raumfahrt)、別名DLRが開発したモジュール式の多目的電動車です。

DLRによると、「U-Shift」は移動販売サービス、バス、旅客シャトル、移動配送センターなど、さまざまな用途に対応しているとのこと。

DLR U-Shift

バーデン・ヴュルテンベルク州経済担当大臣のニコル・ホフマイスター・クラウト氏は、次のように述べています。

「未来のモビリティをより持続可能で、効果的で、便利なものにしたいのです。全く新しい製品やビジネスモデルは、U-Shiftのような未来的なイノベーションから生まれる可能性があります」

U-Shiftは、ボディスタイルの柔軟な変更が可能な100%EVである「eBussy」を思い起こさせます。ドイツのEVメーカー、エレクトリック・ブランズ(Electric Brands)がデザインしたeBussyは、ステーションワゴン、ミニバン、ピックアップトラック、コンバーチブルなど多種多様なボディスタイルを用意していました。DLRのU-Shiftコンセプトも、基本的には同じようなものです。

DLR U-Shift

「自動車産業の変革過程にあるバーデン=ヴュルテンベルク州の中小企業を支援し、将来の車両コンセプトやモビリティーソリューションの分野で新たな役割を見出す手助けをすることが不可欠です。モジュラーアプローチは、この分野で多くの機会を提供します」(クラウト氏)

eBussyのコンセプトとは異なり、U-Shiftのプロトタイプは大型バンに近いサイズです。モーターなど駆動系を収める下部のドライブボードと、モジュール式のキャブにより構成されています。ドライブボードはリモコンにより遠隔操作できますが、将来的には完全な自動運転が可能になると期待されています。

DLR U-Shift (ドライブボード)

モジュール式のキャブでは安全性が重要なポイントとなりますが、DLRは荷室や乗員のスペースを犠牲にすることなく、それを実現しました。例えば、貨物運搬用のカーゴカプセルは、ユーロサイズのパレット4個やローリングキャビネット8個を収納するのに十分な実用性を備えています。一方、旅客用カプセルには最大7人が乗れる座席があります。

今回の第1弾のプロトタイプの駆動系はシュトゥットガルト自動車工学・車両エンジン研究所(Stuttgart Research Institute of Automotive Engineering and Vehicle)が開発したもので、電気部品とシャシーは車両システム技術研究所(FAST)と情報処理技術研究所が担当しています。

DLR U-Shift

DLRによると、完全自動化された第2弾のプロトタイプも開発中だといいます。最高速度は60km/hで、2024年に登場する予定です。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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