インドの時計職人が独立運動を象徴するメモリアルな時計を製作

イギリスに対するインド独立運動のひとつ“カコリ列車強盗事件”にインスパイアされた、エナメル文字盤に24時間時刻表形式が特徴の「Kakori 8 Down」が登場。これは、インドの熱狂的なコレクターであり時計職人でもあるVikram Narula(ヴィクラム・ナルーラ)氏による傑作です。

アナログウォッチを通して事件を再現することで、Narula氏はイギリス統治に反対する最初の政治的運動に注目を集めようとしました。カコリ列車強盗事件(カコリ陰謀事件)とは、1925年8月9日、北インドのウッタル・プラデーシュ州ラクナウ近郊のカコリという場所で、イギリス政府の国庫に向かう途中の現金を運んだ列車が急進的な革命組織HRA(Hindustan Republican Association)に襲われた事件です。

インドの歴史に思いを馳せる

文字盤には、上部の「Kakori 8 Down」をはじめ、事件を思い起させるヒントがいくつも描かれています。赤く塗られた8の字は事件の起きた月を、9時のマーカーは日付を、25分のマーカーは1925年を表します。BHARATのH、R、Aは革命組織の名前です。

Narula氏によると、秒針は360度回転し、当時のインド鉄道の広範囲にわたる運行を象徴しているとのこと。

文字盤は当時を彷彿とさせるエナメル素材を使用し、40mmのサージカルスチールケースとサファイアクリスタルの中に収められています。テーラーメイドの革のストラップもまたレトロな雰囲気を醸し出します。

価格は約300ドル(約3万3千円)で、金メッキ、スチール、ブラックのPVD加工の3つの仕上げが用意されています。ほか、2つのダイヤルカラー(ブラックとホワイト)、6つのストラップから好みに合わせてカスタマイズできます。

メモリアルなコレクションの数々

Narula氏のAJWAIN(Analogue Jewelled Watches and Instruments Network)社は2017年に設立されたばかりですが、経営者であり時計職人でもある彼はすでに手ごろな価格の記念時計を多く作成しています。

バイクメーカーRoyal Enfieldのライダーへのオマージュ作「Half Mast」や、科学者Stephen Hawking(スティーブン・ホーキング)氏への賛辞として作られた「The Black Hole」。トリコロール(三色旗)と国章を融合したデザインで、インドのアイデンティティを際立たせる「Tri and San」。Narula氏が伝えたインド初の機械式クロノグラフ「The Sholavaram」にはアメリカからのオーダーもありました。

オーダーメイドも受け付け中

ムンバイを拠点とする時計職人Narula氏は、自宅のアトリエで仕事をしており、製品を構想し、概念化し、最終的に完成させるまでに約6カ月かかると語っています。

Narula氏と彼の会社AJWAINはメモリアルデザインに力を入れていますが、オーダーメイドも可能です。デザインのアイデアを伝えることで、彼らがそれを形にしてくれます。このカスタムウォッチの価格は350ドル(約3万8千円)から。きっと素晴らしい作品になるでしょう。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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