Tesla、Model 3の部品を使った人工呼吸器の試作品を公開

新型コロナウイルス (COVID-19)の爆発的感染が拡がる米国では、人工呼吸器の不足が深刻な問題となっています。人工呼吸器は呼吸不全や呼吸困難な重症患者の命を助けるために不可欠な医療機器であり、その不足により救えない命がでてきてしまうという悲しい現実に直面しているのです。米国政府は、人工呼吸器を製造する企業へ増産の要請していますが、人工呼吸器不足を緩和するため、自動車メーカーであるTeslaも自動車部品を使っての人工呼吸器の開発に乗り出しています。

人工呼吸器と自動車は共通点がないようですが、実は自動車を作るために必要な機械工学やエンジニアリングなどの知識は、人工呼吸器にも応用が可能なのです。また、自動車の部品を使用することは、すでに不足傾向にある医療機器の部品を「横取り」することなく人工呼吸器を製造できるという利点もあります。

Teslaのエンジニアリング部門は、現在開発中の初期段階プロトタイプを紹介するビデオクリップを公開しました。ビデオクリップでは、開発中の人工呼吸器の概略図が映し出され、概略図のオレンジ色で示されている部品がTesla車の部品だと説明があり、数多くのTesla車部品が使用されていることがわかります。

紹介された初期段階のプロトタイプでは、医療機関で使用される酸素供給装置から供給された酸素が、混合チャンバーによって空気と混合されます。この混合チャンバーはTesla車のエアタンクを使用しているそうです。空気はその後、圧力や流量波形を調整するバルブ制御装置へと送られ、流量センサや圧力センサを通り、フィルターを介して患者に供給されます。患者から吐き出された空気は、センサーを通り、呼気バルブを通ることで胸腔内を陽圧に保ち、患者の呼吸を補助できるそうです。

システム全体を動かすのは、TeslaのModel 3のマザーボードやタッチスクリーンインフォテインメントシステム。患者の状態により、圧規定、圧力値、流量値のいずれかで設定が可能だそうです。さらに、バックアップシステムも搭載され、患者の移動が必要な場合でも20分~40分程度であれば、電源や酸素供給装置に繋がっていなくても機能することができるそうです。

インフォテインメントスクリーンには、圧力、流量、換気量が表示され、患者の呼吸状態をモニターすることが可能です。Teslaのエンジニアは、「まだやるべきことは多々あるけれど、人々の助けとなれるように最善を尽くしている。」と語っています。

米国ではTeslaの他にも、同じく自動車メーカーのFord(フォード)が人工呼吸器の製造に着手しています。また、自動車関連では、F1チームのアストンマーティン・レッドブル、マクラーレン、Mercedes-AMGなどが人工呼吸器の製造に取り組んでいます。

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