Facebook、ARグラス用ディスプレイメーカーと独占契約を締結

米Facebookが、ARグラス用ディスプレイレンズに関して英Plessey社と独占契約を締結しました。Plessey社は1917年創業の歴史ある会社ながら、革新的なmicroLEDを開発する企業で、米Appleや米Googleからも、買収や共同開発のオファーを受けていたそうです。今回FacebookがPlesseyからの独占的な供給を確保したことは、今後のウェアラブルAR市場にとって重要な布石となりそうです。

Plesseyは、高ピクセル密度と高輝度を実現するフルフィールドエミッションmicroLEDの設計、製造を手掛けています。小型で省電力のディスプレイは、スポーツ用アイウェアの簡単なヘッドアップ情報を表示するためのシンプルなディスプレイから、スマートフォンのインターフェースをARグラス着用者の前に浮かんでいるように再現できるフルHDのRGBスクリーンなど、多岐にわたりる実用が可能になるとされています。

PlesseyのmicroLED実用化コンセプトを紹介するビデオ

PlesseyのmicroLEDディスプレイは、サファイアではなく窒化ガリウム(GaN)オンシリコン(Si)を採用し、 同社によれば、これにより半導体を構成する部品素材となるウェハーの大型化、歩留まりの向上と手頃な価格のディスプレイ実現の道が開かれるそうです。 LCDとは異なり、microLEDディスプレイは発光性があり、バックライトを必要としません。これにより、ディスプレイの小型化、電力消費を抑えることが可能になります。

Facebookは数年前からARグラスに関心を寄せていて、2017年には仮想現実(VR)のハードウェアおよびソフトウェア製品に特化したテクノロジー企業であるOculus VRを20億ドルで買収しました。今年1月10日にFacebookの共同創立者兼会長兼CEOのマーク・ザッカーバーグ氏がFacebook寄せた投稿で、ARが今後SNSで大きな存在になると語っていましたが、ARの実用性に関する詳細への言及はありませんでした。

しかし、microLEDがARの実用に大きな役割を果たすことに間違いはないでしょう。Plesseyはこの度の合意に際し、Plesseyは、Facebookのプロトタイプ作成を支援し、AR / VRスペースでの潜在的な使用のための新技術の開発を支援することに専念する予定だと述べています。

FacebookのARグラスの商用化が実現される具体的な時期は不明ですが、ザッカーバーグ氏は、ここ10年以内に商用化を実現するとの目標を公にしています。ですが、消費電力、接続性、ディスプレイ製造技術など、まだまだ商用化に向けた課題は多く存在します。

その課題を乗り越えるべく、ARグラスの開発を進めているのはFacebookだけではありません。AppleはiOS搭載のデジタルアイウェアの開発に取り組んでいるとの情報が報じられています。GoogleだってARグラスの夢を諦めたわけではありません。2012年に発表された「Google Glass」は、わずか3年後の2015年に一般消費者向けの販売を中止しましたが、2019年5月には「Glass Enterprise Edition 2」を発表した他、スマートフォンを超えた成長セグメントとして新しいフォームファクターの可能性を検討していることが知られています。そんな中で、ウェアラブルAR成功の鍵となるのが、ディスプレイ。今回FacebookがPlesseyと独占契約を結んだことで、AR開発競争の大きなアドバンテージを得たと言えるでしょう。

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