L-Charge EVに電気をお届けする移動式充電ステーション

電気自動車(EV)を普及への最大の課題は、充電インフラでしょう。世界の多くの大都市では、駐車場、食料品店、会社の駐車場などに充電スタンドが設置されています。一方、地方では、まだ電気自動車の充電インフラが整備されていないのが現状です。ロシアのL-Charge(エル・チャージ)社は、グリッドに接続する必要がなく、移動可能でゼロエミッションの電気を作り出す電気自動車充電ステーションで、この状況を変えたいと考えている様です。

移動式充電ステーションと設置式充電ステーション

L-Chargeには、2種類の充電ステーションがあります。一つは、トラックの荷台部分に充電スタンドを積載した移動式充電ステーションで、EVの所有者がどこにいても充電することができます。もうひとつは、大型の輸送用コンテナに発電装置を積載し、その側面に4基の充電ステーションを備える設置式タイプの充電ステーションです。この充電ステーションは、EVが電力を受け入れるのと同じくらい速く充電することができます。

L-Chargeは、この設置式充電ステーションが、ピーク時に電力網に電力を供給することも可能と述べています。また、余剰電力を近隣の消費者に提供することも可能だそうです。L-Charge社によると、1台の設置式充電ステーションで1日に最大288台のEV車を充電でき、1日に最大7200kWhの電力を生成することができるそうです。設置式充電ステーションには常駐スタッフが不要で、1日で設置を完了することができます。

移動式充電ステーションは、EVが電力を受け入れるのと同じ速さで充電することができます。L-Chargeは、この移動式充電ステーションをEVカーシェアリングやサブスクリプションサービスにとって最適なソリューションになると位置づけています。また、移動式であることから、市街地でのEV利用の促進につながると考えているそうです。

L-Charge社は、これらの移動式充電ステーションを都市部をターゲットとする一方で、充電インフラのない地方にEV充電ステーションを導入する理想的な方法であるとも考えているそうです。移動式充電ステーションは、1日に最大48台のEVを充電でき、1日に1440kWhの電気を発生させることができます。移動式であるため、車載充電ステーションは街のどこででも使用することができます。

移動式充電ステーションの手配はアプリで

L-Chargeの移動式充電ステーションは、アプリを使って派遣され、ユーザーは移動式充電ステーションをすぐに手配するのか、数時間以内に手配するのか、24時間以内に手配するのかを選択することができるそうです。料金は、充電ステーションの配車予約により異なり、アプリのスクリーンショットでは、即座に手配の場合では1kWhあたり7セント(約8.0円)、3時間以内に手配の場合では1kWhあたり6セント(約6.9円)、24時間以内に手配の場合では1kWhあたり5セント(約5.7円)と表示されています。

また、アプリのスクリーンショットでは、フル充電が38.16ドル(約4,370円)と示されています。奇妙なことに、アプリのスクリーンショットには、非EVであるマスタングGTが写っています。EVの充電ステーションを手がける会社が、ガソリン車を示すスクリーンショットを広報に使用するのは非常に奇妙な気がします。単なるサンプル画像とは言え、EVの方がマスタングよりも良いサンプル画像になったでしょう。

発電量

L-Chage社の移動式と設置式の充電ステーションは、同じ技術を利用し発電しています。L-Charge社によると、天然ガスと水素は、気体でも液体でも、低炭素エネルギーやクリーンエネルギーに変換して利用できるそうです。充電ステーションは、液化天然ガス、または液化天然ガスと水素の混合ガスで動作し、その場で発電することができます。

L-Charge社は、低炭素燃料は市場で最も経済的に実現可能な燃料であり、水素のようなカーボンニュートラルなソリューションへの移行における橋渡し的な技術として活用することができると述べています。また、純粋な液化天然ガスを燃料として使用して発電した場合でも、二酸化炭素排出量を大幅に削減できるとも説明しています。

L-Charge社の見据えるゴール

L-Charge社は、2026年までに20億ドルの収益を上げるという目標を掲げています。同社は、移動式および設置式の充電ステーションを、充電ステーションの不足を解消するソリューションと位置づけている。おそらく、同社の充電ステーションが最も利用される可能性が高いのは、大型トラックや機械の充電方法を必要としている運送会社のオーナーだろう。現在、電動化されたトラックや重機は一般的ではありませんが、確実に開発が進んでおり、将来的には一般的なものになると思われます。

また、L-Charge社は、同社の送電網に繋がっていないオフグリッド充電ステーションが、新規敷設に制限のある従来の電力網にとって理想的なソリューションであると考えています。移動式および設置式どちらの充電ステーションも、電力を受け入れると同時に自動車を充電できるため、FASTチャージャーをより早く普及させるための解決策にもなりえます。L-Chargeの設置型充電ステーションは、一度に最大2週間まで外部供給なしでの稼働が可能です。

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