ポールスター 次世代EVコンセプトカー「プリセプト」改め『Polestar5』の量産化を決定

スウェーデンのEVブランドPolestar(ポールスター)が、印象的な次世代EVセダン コンセプトカー「Precept(プリセプト)」を「Polestar5」として2024年に発売することを明らかにしました。昨年発表されたプリセプトは、新しいデザイン哲学だけでなく、環境に配慮した素材への新たなアプローチを示唆するもので、その反響はポールスターをも驚かせるものでした。

「人々が欲しいと言ったくれたから、私たちは作ることにしました。」と、コンセプト発表時に詳細は明かされていないにも関わらず好評を博したことが、プリセプトの生産実現に必要な後押しとなったとポールスターのCEOであるThomas Ingenlath(トーマス・インゲンラス)氏は2020年に語っています。

今回、Polestar5の発売時期と、その他の詳細が少し明らかにされました。Polestar5として発売されることが決定したラグジュアリー4ドアGT。この名称は、初代の2ドア高級ハイブリッドクーペ「Polestar1」、現在販売中のファストバックEV「Polestar2」、そして来年発売予定の電気自動車SUV「Polestar3」に続くものです。

Polestar 5の発売はまだ数年先の話ですが、ポールスターは、量産型を可能な限りコンセプトに近づけることを目標としています。その証拠に、公表されたPolestarは量産型プロトタイプのPolestar5の写真(デスクトップ版ではタイトル画像、モバイル版では一番上の画像がそれ)を一見しただけで、2020年に発表された白いコンセプトカーと重なるフォルムと分かります。

リアには車幅全体に広がりるライトブレード、トランクやドア下部の絞られたフォルムなど、プリセプトの印象的なデザインが量産型にも継承されています。Polestar5では、プリセプトで採用されたデジタルミラーの代わりに従来のサイドミラーが採用され、リアヒンジ式のバックドアが、より伝統的で実用的なBピラーと標準ドアに変更されていますが、フラッシュハンドルは量産型でも採用されている様です。

もちろん、プリセプトの注目すべき点は、デザインだけではなく、何から作られているかということ。「プリセプトは、デザイン、サステイナビリティ、テクノロジー、パフォーマンスというポールスターの重要な要素を具現化し、ポールスターの未来象を示すために開発されました」とポールスターは今回の量産化に関する発表で説明しています。「Polestar5は、ますます独立した力強いデザイン観を体現しており、2022年に発売が予定されている電気自動車『Polestar3』にもその要素が見られます。」と述べています。

Polestar5のシートにはリサイクルしたペットボトルから作られた生地、カーペットには再生した漁網などが使用されます。また、再生コルクをシートボルスターやヘッドレストに使用し、プラスチックなどの従来の素材よりも軽く、環境への影響がはるかに少ない、Bcomp社が開発した亜麻素材の複合材をトリムパーツに使用。Polestar5は、新しい高級感を表現しながらも、環境的にもクリーンで、ミニマリスト的なクルマを実現しました。

ポールスター社は、プリセプト発表時と同様、今回も航続距離などの動力性能に関しては明らかにしませんでした。しかし、ポルシェ・パナメーラなどで長距離ドライブを楽しむ人たちにも魅力的に感じてもらえるクルマとポールスターが自負するEVであれば、パワーに不足のない、航続距離を目指すことになりそうです。

Polestar5が市場に登場する頃には、いくつかの強力なライバルが存在するでしょう。ポルシェのタイカンは、現在のEV GTカテゴリーをけん引していると言っても過言ではありません。また、アウディのe-tron GTも同様に魅力的です。メルセデスやBMWなども、Polestar5と真っ向勝負する高級EVを用意するでしょう。

成功の鍵を握るのは、航続距離や性能ではなく、Polestar5が純粋なEV化を求めるユーザーだけでなく、より広範な環境保護に働きかける車を提供できるかどうかということなのです。現在のEV車のラインナップは、リサイクル素材に多少の配慮をしているものの、そのエコ性能は主にゼロエミッションに依存しています。もしポールスターがそのような議論を広げることができれば、新しいPolestar5が競争化が激しくなるEV市場に入り込める新しいスペースを作ることができるのではないでしょうか。

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