検討中の「免疫パスポート」:コロナ復帰策にWHOがストップ

新型コロナウイルス対策として、首都封鎖や外出制限を行う米国や英国などで現在「免疫パスポート」導入が検討されていますが、WHOは警鐘を鳴らしています。

「免疫パスポート」とは、ロックダウンや行動規制によって街の様子が打って変わってしまった一部の国々で、元の日常生活を取り戻すための手段として検討されているものです。抗体検査を行い、すでにコロナに感染し免疫があると証明された人にのみ発行され、パスポート保持者は規制に関係なく仕事や学校に復帰できるといいます。

これに対しWHO(世界保健機関)は、「免疫パスポート」の概念に反対すると警告しました。パスポートの背後にある考え方は、ウイルスに感染した誰かが抗体を持っているため、その人は免疫があり、再感染のリスクがないということです。  WHOの見解では、今の段階では確実な証拠はないとのことです。

再感染データ不十分、WHOの懸念とは

今、世界中の政府が社会活動を正常化する方法に取り組んでいます。このプロセスは段階的である必要性が高く慎重に行われなくてはなりません。ウイルスからの回復後、必ず抗体ができるものと仮定すれば、「免疫パスポート」は、ウイルスの蔓延を増加させることなく一部の人々が通常の活動に戻ることができる方法と言えます。

しかし問題は、コロナウイルスから一度回復した人がどの程度免疫があるのか、いまだ判明していないことです。 実際、再感染のケースが発生しており、専門家でさえ誤検出なのか原因は何なのか把握していないのです。

同時に、WHOは「免疫パスポート」発行のためのテストの不透明さも指摘しました。現段階では抗体検査によって正確に迅速な検査結果を出すことはほとんど不可能と見え、免疫ができていると診断された一部の人々が、不用意に出歩けば更なる感染拡大リスクが高いとの見方を示しています。

経済・社会活動の復興は元より、更なる人的被害を招いてしまっては取り返しがつきません。欧米諸国政府には賢明な判断力が求められます。

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