英バース大学の研究により、よく眠れなかった日の朝は、まず食事を済ませてからコーヒーを飲む方がはるかに効果的である可能性が示されました。コーヒーは糖の代謝に影響を与えることがあるため、摂取の順番には気を付けた方がいいかもしれません。
この研究は、バース大学の栄養・運動・代謝センターで行われました。研究チームは、しっかりと睡眠をとれなかった日の翌朝にコーヒーを飲む効果について調査。29人の健康な男女が実験に参加しました。
実験結果について、バース大学の主任研究員ハリー・スミスは次のように語っています。
「睡眠を一晩取らなかっただけでは、通常の睡眠時と比較して被験者の血糖・インスリン反応が悪化しませんでした。これは多くの人にとって安心材料となるでしょう」
「しかし、眠れない夜を過ごした翌日に濃いコーヒーを飲むと、グルコース代謝に50%ほどの負の影響が出ました。したがって、朝にカフェイン入りコーヒーを飲む場合は、その刺激効果と血糖値上昇の可能性とのバランスをとり、朝食後に摂取する方がよいかもしれません」
要するに、一晩しっかり睡眠がとれなくても、朝のブドウ糖摂取に対する血糖値やインスリンの反応は変化しない。ただし強いカフェイン入りコーヒーを飲むことで、糖の代謝に影響を与えてしまう。そのため、寝不足の朝にコーヒーをたっぷり飲んでからドーナツを食べると、血糖値がジェットコースターのように乱高下する可能性があるというわけです。
上記の研究の詳細については、ハリー・A・スミス氏ほか8名の研究者による論文をご覧ください。この論文は、ケンブリッジ大学出版局からオンラインで公開されており、コードDOI:10.1017/S0007114520001865で見つけることができます。
2019年8月に発表された研究では、コーヒーとカフェインの作用が明らかになりました。片頭痛に悩まされているコーヒー常飲者には、摂取量の制限が推奨されています。2019年6月に発表された別の研究では、コーヒーを飲むことで脂肪を燃焼する褐色脂肪細胞を刺激する可能性があることがわかりました。
腸の健康や病気予防を目指すなら、コーヒーが鍵を握っているのかもしれません。
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