コントローラーにこだわるプレイヤーは少なくないでしょう。11月12日にソニーから発売されたプレイステーション5では、コントローラーの「デュアルセンス(DualSense )」に大きな注目が集まっています。米スラッシュギア編集部の記者が実際に購入し、その感触を確かめました。すると、意外な特徴も明らかになりました。
(以下、米スラッシュギア編集部のエリック・アベントによるレビュー)
わたしはコントローラーについて考えるのに、長い時間を費やしてきた。各コンソールにそれぞれ複数のコントローラーを持っているのはもちろん、PCゲームをプレイするために購入したものも多くある。レトロゲーム用に購入した8bitdoのコントローラーも含めれば、かなりの数のゲームパッドに手を出している。
これまでも最高のゲームコントローラーとは何かという難題について考えてきたが、次世代機の登場により、1つの答えが出たかもしれない。「デュアルセンス」だ。ソニーはプレイステーション5の新しいコントローラの宣伝に力を入れてきたが、実際に使ってみて驚いた。
PS5を入手したらアストロプレイルームをプレイすべし
デュアルセンスを知るために最適なのが「アストロプレイルーム(ASTRO’s PLAYROOM)」で、プレイステーション5を購入したら最初にプレイするべきものだと思う。ゲーム自体が十分に楽しいだけでなく、アダプティブトリガーやハプティックフィードバック、モーションコントロール、内蔵スピーカー/マイクなど、デュアルセンスの持つすべての機能が紹介されている。
特に印象に残ったのはハプティックフィードバック(触覚フィードバック)で、コントローラーの内臓スピーカーと組み合わせることで、ゲーム内のさまざまなアクションをより明確に感じられるようになる。硬い金属の床や柔らかい草の上などをアストロが歩いたとき、その違いをはっきりと手のひらに感じることができた。その際、内臓スピーカーが思ったより大きな役割を果たしていることもわかった。
デュアルセンスの美点は触覚だけではない。手触りは非常によく、Xbox One/Xbox シリーズXのコントローラーと同様に手によくなじむ。デザインの面では、これほどまでにプレイステーションのコントローラーに感銘を受けたことはない。
わたしは先代の「デュアルショック4(DualShock 4)」が登場するまで、プレイステーションのコントローラーにはあまり興味がなかった。ゲームコントローラーは世代を追うごとに進化しているが、プレイステーションのコントローラーは、世代が変わってもマイナーな変更を加えるだけで、違いを感じられなかった。それを大きく打ち破ったのがデュアルショック4だったが、プレイステーション5が登場した今、デュアルセンスこそがプレイステーションのコントローラーとして真に革命的なものだと思う。
白は汚れが目立つ。でも一番の不安は…
とはいえ、デュアルセンスも完璧ではない。まず、白を基調とした配色が気に食わない。カラーバリエーションは今後も増えていくと思うし、ダークカラーのデュアルセンスが登場するのもそう遠くないかもしれないが、本来ならば使用頻度が高いはずのものが白一色になってしまうのは本当に嫌だ。1週間使っただけで小さな汚れがはっきりと目立ってしまい、非常に厄介であることが分かった。
また、わたしの目には、デュアルセンスとデュアルショック4のタッチパッドにはほとんど違いがないように見える。デュアルセンスの方が滑らかで丸みを帯びたように感じるが、それ以外はほとんど同じではないだろうか。決して悪くないが、Xbox シリーズXのDパッドの方が品質面で勝っていると思う。
こうしたマイナーな不満はさておき、デュアルセンスを嫌いになるほどの欠点は今のところ見当たらない。クリアなボタンも、全体的な見た目もフィーリングも大好きだ。バッテリーの持ちはかなり良さそうだが、正直言って、プレイステーション5を初めて箱から出してからまだ1~2回しか充電していないので、完全には把握できていない。一般的に、PCゲーマーの間ではXboxのコントローラーの人気が高いが、デュアルセンスは非常に優れているので、使ってみてもいいかもしれない。
わたしが一番心配しているのは、ゲーム開発者がこれらの優れた機能(ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーなど)を活用してくれるのかどうかということだ。ファーストパーティ製のゲームでは対応しているだろうが、マルチプラットフォームのタイトルでは期待できないだろう。わざわざプレイステーションのコントローラーのために追加のコストをかけるディベロッパーがどれほどいるだろうか。
この不安が杞憂に終わることを願うばかりだ。デュアルセンスの機能は確かに素晴らしいもので、できるだけ多くのゲームに実装されることを望んでいるが、「アストロプレイルーム」ほどの高いレベルで実現するのは、ソニー傘下の会社以外では見られないと思う。それですべて台無しになるわけではないが、デュアルセンスが輝く瞬間はできるだけ長く味わっていたいものだ。
デュアルセンスの機能が発揮できてるかはソフトによって様々。
あるゲームはイベントムービーでもデュアルセンスがふんだんに活用されているが、ほとんどのゲームがムービー中は『しーん…』としてる。
それが非常に残念。