セダンはまだ終わっていない マツダ6(米国仕様)試乗レビュー

流麗な中型セダン、マツダ6に米スラッシュギア編集部が試乗しました。日本と同じように、米国でもSUVが市場を席捲し、セダンは今や日陰の存在となっています。そんな厳しい状況の中で、マツダ6にはどのような魅力があるのか。レビューをお伝えします。

2020年モデル マツダ6

(以下、米スラッシュギア編集部のクリス・デイビスによる試乗レビュー)

試乗用のマツダ6を目にしたとき、わたしが最初に驚いたのはその色だった。マツダはソウルレッドが愛用しているが、イメージカラーとして試乗車に選ばれていたのは地味なマシングレーメタリックだった。その次に驚いたのは価格だった。

マツダ6 セダンの価格は36,620ドル(380万円)で、オプションのボディカラーが300ドル、トランクマットで100ドル、配送料の920ドルを含めると、米国の平均的な新車価格とほぼ同じか、やや下回る。

2020年モデル マツダ6

言うまでもなく、セダンは自動車業界にとって新星ではない。お金が集まるのはクロスオーバーだ。しかし、メーカー各社は、伝統的なスタイルを求めている人の間では需要があると主張している。 マツダは新型「CX-30」を発売するなどSUVのトレンドに乗っているが、マツダ6はそのラインナップの中で特別な位置を占めている。

抑揚を抑えた大人向けのスタイリング

スタイリングは上品で洗練された印象を与え、クロームパーツもダサくならない程度に適度に使用して、プレミアム感を演出している。試乗した広報車は最上位グレードの「シグネチャー」で、19インチホイール、リップスポイラー、LEDのヘッドライトおよびテールライト、光沢仕上げを施したデュアルエグゾーストを装備。さらに、マツダ製のターボエンジンを搭載している。

2020年モデル マツダ6

それが「スカイアクティブG 2.5T」で、6速ATと組み合わされる。最高出力227馬力、最大トルクは420Nmだが、オクタン価93のプレミアム燃料を入れると23馬力アップする。標準モデルのエンジンも同じ2.5Lだが、ターボは非搭載で、187馬力、252Nmのトルクを発揮する。

残念ながら前輪駆動のみの設定となる。マツダ3とは異なり、全輪駆動のオプションはない。それでも、スポーツカーほどではないが、セダンの重量をカバーできるだけのパンチ力を持っている。サスペンションもスポーティなセッティングとなっており、思いがけないほどの魅力的な体験を得ることができる。6速ATはギアの数が足りないように思える。使い方が重要だ。

2020年モデル マツダ6

機械的にシンプルであるがゆえのデメリットとしては、クルージング時の動きが穏やかではないことだ。アダプティブダンパーやエアサスペンションのような複雑な機構がなければ、ドライブモードで乗り心地を柔らかくすることはできない。高速道路では、競合セダンに比べて少しだけ乗り心地が悪い。

内装の質感は高いが、車載システムはイマイチ

マツダのインテリアはトーンが落ち着いていて、オールドスクールな雰囲気を持っている。上位モデルではリアルウッドやメタルトリム、心地よいナッパレザーやを採用するなど、高級感のある空間が広がっている。無駄なディティールやパターンは多用しないという意志が感じられる。エアコンは直感的に操作できるツマミとボタンが並んでおり、ドライブモードはトグルで簡単に切り替えることができる。

2020年モデル マツダ6

インフォテインメントシステムは、残念ながら、もう少し工夫があってもよかったのではないかと思う部分である。8インチのタッチスクリーンは小さくはないが、UIは古臭く見える。Android AutoとApple CarPlayは搭載されているが、基本的に有線接続のみである。

美点としては、アダプティブ・クルーズ・コントロール、ブラインドスポット・モニタリング(リア・クロス・トラフィック・アラート付き)、車線逸脱警報、レーンキープ・アシスト、前方衝突警報が全車に標準装備されていることだ。キーレスエントリー、デュアルゾーン・クライメートコントロール、プッシュボタンスタートも全車標準だ。最上位モデルには、シートヒーター&ベンチレーター、BOSE製11スピーカーのオーディオシステムが装備されている。

トランクは416Lと手ごろで、乗員の頭、足、肘周りなどのスペースも十分に確保されている。後部座席は60/40分割式。EPAサイクルの燃費は市街地9.7km/l、高速道路で13.1km/lと、やや不十分に感じる。

マツダ6の魅力はたくさんある。価格は24,100ドル(250万円)からと高くはない。トヨタ「カムリ」やホンダ「アコード」が技術面で先行しているとはいえ、マツダのセダンはデザイン面で優位性を持っている。

2020年モデル マツダ6

個人的には、ボディカラーにソウルレッドを選びたい(陳腐になりつつあるが、十分に魅力的)。クロスオーバーとSUVに支配されている市場で、存在感がどんどん薄まってきているセダンではあるものの、マツダのデザインによりひときわ目を引く存在となっている。

総評 7点/10点

長所

  • スタイリッシュなデザイン
  • ​2.5T ターボエンジンはパワフルで情熱的
  • ​キャビンは広々としていて高級感がある

短所

  • ​ダイナミックなドライブを重視したセッティングで、快適性は損なわれている
  • ​インフォテインメントシステムに古さを感じる
林 汰久也

愛知県在住28歳♂/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。その後退職し、2020年よりフリーの自動車ライターとして活動中/愛車遍歴はマツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』(今ここ)/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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