米トヨタ新型GRホットハッチは「ヤリス」ではなくあのクルマかも

トヨタは今年初め、待望のホットハッチ「GR ヤリス」を発表しました。ヤリスはタイヤを鳴らすような暴れ方をする車ではありませんが、GRバージョンは、運転する楽しさと実用性を兼ね備えています。全輪駆動、ターボチャージャー付き3気筒エンジン、マニュアルトランスミッションを搭載した次世代のストリートラリーカーで、日本や欧州での受注が始まっています。北米市場での販売予定はありませんが、代わりに “別のGR ホットハッチ” が導入されることが明らかになりました。

トヨタの発表によると、GRのホットハッチバックが2021年初頭までに米国へ上陸するようです。「GR ヤリスは、その不在について北米市場での反響を呼んだ。おそらく、米国のユーザーがトヨタのホットハッチを手に入れる時が来たのではないか」と同社。果たして、どのようなモデルが開発されているのでしょうか。

広大な米国ではBセグメントのコンパクトカー需要は多くない。フランス生産のヤリスを輸送するコストの懸念もある。

日本や欧州仕様のヤリスはTNGA-Bプラットフォームを基本骨格に採用していますが、米国で販売されているヤリスは「マツダ2」をリモデルしたものがベース(OEM)になっています。つまり、名前こそ同じではあるものの、米国仕様のヤリスは日本で見られるものと全く異なるモデルなのです。おそらく、GRバージョンが設定されることもないでしょう。

新型ホットハッチは「カローラ」ベース?

では、新しく登場するGRのホットハッチとは何なのか?

我々は、トヨタがTNGA-Cプラットフォームをベースにした「カローラ クロス」の商標を出願したことから、ある予想を立てています。TNGA-Cプラットフォームは、「C-HR」「プリウス」「カローラ ハッチバック(スポーツ)」で共有する、Cセグメント向けのアーキテクチャーです。

VW「ゴルフ」など数多くのライバルが存在するCセグメント。その中でも「カローラ」は米国で歴史が深く、なじみ深いモデルだ。

先日、新型のコンパクトSUV「ヤリス クロス」が発表されましたが、これはBセグメント向けプラットフォームを使用したヤリスのクロスオーバーバージョンです。さらに、トヨタがアラバマ州ハンツビルの工場を改造して、マツダと共同で小型の新型車を開発していることも話題になっています。

トヨタは、ヤリス クロスに続くクロスオーバー(しかもスポーツモデル)として、カローラ クロスのGRバージョンを計画しているのではないでしょうか。

米国のユーザーの中には、新型ヤリスの導入を期待していた人も多いだろう。

この予想が正しければ、「GR カローラ クロス」は日産「ローグ スポーツ」やスバル「クロストレック(日本名:XV)」に対抗するモデルとなるでしょう。ただ、これらのライバル車とは異なり、ヤリスと共有の最高出力257馬力/最大トルク360Nmを発生する1.6L 3気筒ターボエンジンを搭載すると思われます。

小型ながらも気合の入ったこのエンジンは、7,000rpmまで回る高回転型。レッドゾーンに向かって華麗に歌う姿に、耳が喜ぶこと間違いなしです。

3気筒だからと言って甘く見てはいけない。高回転化や吸気系統の最適化などにより、世界最高レベルのパフォーマンスを秘めている。

そして、ドライブトレインには、6速マニュアルトランスミッションとフルタイム全輪駆動システムが搭載される可能性があります。GR ヤリスでは、フロントとリアにトルセンLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)を装備しています。これにより、走行モードに応じて前輪と後輪のトルク配分を変化させることが可能となりました。ノーマルモードでは、前後60:40の割合でトルクが配分され、最大100%を前輪・後輪のどちらかに送ることもできます。

もちろん、カローラ ハッチバックのGRバージョンが登場する可能性もあります。すでに「GR カローラ」の商標がオーストラリアで登録されたことも報じられており、日本での導入も期待できます。しかし、いずれにせよGRの新しいホットハッチは、ラリーで活躍するGR ヤリスに対抗し得るだけの価値があるのでしょうか? その答えは間もなく明らかになるでしょう。

林 汰久也

愛知県在住 27歳。ハウスメーカーの営業を経て、IT企業のメディア事業に参画。記事制作ディレクターとして店舗紹介記事などの制作に携わる。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。

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