ポルシェ「タイカン」のグレードは現在、ターボ、ターボS、4Sで構成されています。ポルシェの幹部はこのたび、“廉価版”がラインアップに追加されることを明らかにしました。より安価なタイカンは、全輪駆動を必要としない市場の顧客にとって非常に大きな魅力となるでしょう。
CAR誌は、ポルシェの研究開発責任者であるミヒャエル・シュタイナー博士(Dr. Michael Steiner)から、タイカンのエントリーグレードが登場すると伝えられたことを報じました。シュタイナー氏によると、新グレードは小型のバッテリーを搭載した後輪駆動モデルで、低価格を目指し、中国のように全輪駆動が不要な気象条件の市場に向けて展開するとのことです。
具体的な価格設定については明らかになっていませんが、おそらく77,000ポンド(1,021万円)程度からのスタートではないかと予想されています。ちなみにタイカン 4Sは、英国では84,000ポンド(1,114万円)以下から販売されています。
新グレードはまず、中国で2021年から右ハンドルの派生型として販売を開始すると思われます。全輪駆動から2輪駆動への移行により、パフォーマンスに少なからず影響を与えるでしょう。現在のタイカンには、79.2kWhと93.4kWhの2種類のバッテリーが用意されています。
4Sは、0~100km/h加速が4秒と非常に高速です。また、最高速度は250km/hを記録しています。ポルシェが提供する中でも最高レベルのパフォーマンスというわけではありませんが、車重が2,305kgであることを考えれば、悪くはありません。最も速いのは、260km/hのトップスピードを有し、停止状態から2.8秒で100km/hに達することができるタイカン・ターボSです。ポルシェは、1回の充電で250~280マイル(400~450km)の航続距離を目標にしているといいます。
「4S」というグレード名には以前から、わざわざ全輪駆動を表すようなネーミングであり、2輪駆動(ひいては後輪駆動)モデルも後に追加されるのではないか、という期待もありました。それが見事に叶えられ、しかもリーズナブルな価格で提供されるということですから、久々に明るいニュースと言えるでしょう。
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