V8×電気モーター搭載か:フォード「マスタング・ハイブリッド」

フォード「マスタング・ハイブリッド(Mustang Hybrid)」は、「マスタング・マッハE(Mustang Mach-E)」に続く次世代の2ドアモデルとして、マッスルカーセグメントを揺るがすことになるだろうと報じられています。フォードは昨年、900馬力を発揮するマスタングのプラグインモデル「リチウム(Lithium)」を発表するなど電動化を推し進めています。今回のハイブリッドモデル登場により、ファンの間にさらなる波紋を広げることになりそうです。

フォードの当初の計画では、2020年にハイブリッドのマスタングを発売する予定だったと言われています。2017年には、ベストセラーのピックアップ「F-150」のハイブリッドモデルを含む、今後数年間の電動化目標を明らかにしました。

フラットロック工場で製造されるマスタング・ハイブリッドは、その仕様を胸の内に秘めていました。フォードがその時に語っていたのは、通常のV8搭載マスタングと同様の性能を得るために、エンジンと何らかの電動ドライブトレインを組み合わせるということだけでした。

しかし、その車の代わりに今年はマスタング・マッハEが登場します。フォードがマスタングの名を借りて完全電動のクロスオーバーSUVにしたことは、そのスタイリングと共に物議を醸しました。それでも、ファーストエディションの予約は瞬く間に完売。潜在的な需要はあったようです。

しかし、その先にはまだハイブリッドの登場が待っています。“ポニーカー”と呼ばれ親しまれてきたマッスルカーの歴史を変えてしまう、ゲームチェンジャーになるかもしれません。

情報筋がAutocar UKに語ったところによると、フォードは全輪駆動のマスタング・ハイブリッドを検討しているといいます。これまで販売されてきた後輪駆動モデルとは大きく異なるものになるでしょう。一方、2017年に提出されたフォードの特許を見ると、新しいドライブトレインがどのように機能するかが分かります。

2019年後半にUSPTO(米国特許商標庁)によって付与されたこの特許「ハイブリッドモデル用のツインモータードライブシステム」は、2基の電気モーターがエンジンと組み合わされていることを表しています。エンジンは、現行マスタングGTと同様に後輪を駆動し、2基の電気モーターはそれぞれ独立して前輪を駆動します。

ハイブリッドとはいっても、エコカーに搭載されるような平凡なエンジンを採用するとは限りません。例えば、V8と組み合わせることも可能で、実際にフォードが提出した画像からは、後輪用に8気筒エンジンが搭載されていることが読み取れます。ただ、全く異なるエンジンが実装される可能性も示唆されています。

電気モーターも様々な構成に対応しています。1つの可能性としては、幅広でフラットな、いわゆるパンケーキモーターがあり、それぞれが減速機を介して前輪の1つに接続されるというもの。この場合の利点として、「電気モーターを選択的に通電して、後輪とは別に前輪を駆動させることができる」とフォードは説明しています。そして、この設定により可能になるのは、トルクベクタリングです。つまり、片側の前輪をもう片側よりも速く回転させることができ、コーナーでの旋回性能向上に繋がります。

また、マスタング・ハイブリッドは電力だけで走行できる可能性もありますが、その場合の航続距離は搭載されているバッテリーの容量に依存します。バッテリー容量は、この車に関する謎のうちの1つであり、2022年まで明らかにされることはないと思われます。2022年は、フォードが当初表明していた「5年間」という電動化ロードマップの最後の年に当たります。

電動化されていない通常のガソリンモデルについては何も語られていませんが、フォードがこのような象徴的な車で、ファンの期待する選択肢を廃止する可能性は非常に低いと思われます。なお、新型マスタングは、「エクスプローラー(Explorer)」と同じCD6 プラットフォームを採用していると考えられており、ミドルサイズ以上の車と同様のアーキテクチャーを使用することになりそうです。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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