世界で最も売れているスポーツカー:フォード「マスタング」56歳の誕生日

初代フォード「マスタング(Mustang)」は1964年4月17日に発売されました。56歳の誕生日を迎えたフォードの象徴的なポニーカーは、記念すべき2つのビッグタイトルを獲得しました。IHS Markit(IHSマークイット)の調査によると、マスタングは世界で最も売れているスポーツカーです。また、同時に5年連続で最も売れているスポーツクーペでもあります。マッスルカーの象徴であり、車好きのロマンが詰まった車でもあるマスタングの誕生日を、遅ればせながらお祝いしましょう。

世界で売れ続けるアメリカンスポーツカー

フォード・マスタングは過去50年間、アメリカで最も売れたスポーツカーとなりました。6代目となった現在、象徴的なマスタングの名は、今年後半に登場する新型の電動SUV「マスタング マッハEとして生き続けます。フォード・モーター・カンパニーの最高執行責任者(COO)であるジム・ファーリー(Jim Farley)氏は次のように述べています。

1964年4月17日、ニューヨーク万国博覧会のフォードのパビリオンにて初代マスタングを披露するリー・アイアコッカ(Lee Iacocca)氏。彼はマスタングの生みの親であり、後に社長に就任した。

「我々は成長を続けるマスタングの安定性とパフォーマンスを誇りに思っています。我々は56年に渡り、オーナー、愛好家、そしてファンの皆様にサービスを提供できることを光栄に思います」

間違いなく、マスタングは世界で最も認知されているマッスルカーでもあります。フォードは2019年に10万2090台のマスタングを販売し、世界中のスポーツカー市場を支配しました。実際、フランスではマスタングの販売台数がほぼ倍増した一方で、ドイツでは33%、ポーランドでは50%の増加を記録しています。「スウェーデンから上海まで、より多くのドライブ愛好家が新型マスタングで自由とアメリカンオープンロードを楽しんでいます」とファーリー氏は付け加えました。

4代目コンバーチブル(左)、初代コンバーチブル(中央)、4代目クーペ(右)。ちなみにバックに映るのは第二次大戦中の戦闘機P-51D マスタング。

現在、世界で最大12のバリエーションが販売されているフォード・マスタングは、マッスルカーとスポーツカーの両方の愛好家に幅広い選択肢を提供していることになります。フォードによると、これは56年前にマスタングが登場して以来、同社が提供してきた中でも最高のパフォーマンスラインナップであるとのこと。

「マスタング」の車名は野生の馬に由来する。戦闘機の名前に由来するとも言われている。

ベースの「エコブースト ファストバック(EcoBoost Fastback)」は、ターボチャージャー付きの2.3L 4気筒エンジンに標準の6速マニュアルトランスミッションを搭載しており、入門グレードでありながらその性能は驚くほどのものです。最高出力310馬力/最大トルク475Nmを発揮し、それでいて車両本体価格は約27,000ドル(291万円)からとリーズナブル。コンバーチブルモデルは、33,000ドル(355万円)以下からのスタートです。一方、「マスタング GT」は460馬力の5.0L V8エンジンをマニュアルトランスミッシと組み合わせ、40,000ドル(431万円)以下で販売されています。

最強のマスタング:シェルビー GT500

シェルビー GT500の加速力をチェック。

忘れてはいけないのが、全てのマスタングのビッグダディとも言える「シェルビー GT500」でしょう。これまでに製造されたマスタングの中でも、最強のマスタングです。「2020年モデルのフォード・マスタング GT500は数字が全て」とも言われます。イートン社製スーパーチャージャーを搭載した5.2L アルミ製V8エンジンを搭載したシェルビー GT500は、760馬力のパワーと、847Nmのトルクを引き出します。

その走りは“野生馬”の名にふさわしく、ワイルドでパワーに満ちたもの。

シェルビー・マスタング GT500は、最高に野蛮な車です。フォードは、時速0~97kmを3秒以下、4分の1マイル(0~400m)は10.8秒で走行可能と主張しています。そして昨年、ラスベガス・モーター・スピードウェイにおけるGT500のテストドライブで、それが大げさな宣伝文句ではないことが証明されたのです。

圧倒的なパフォーマンスに対し、リーズナブルな価格設定も大きな魅力の1つである。

ドラッグストリップで3回の走行をこなしたGT500は、4分の1マイルで11.4秒、0~97km/hで2.101秒という驚異的なタイムを叩き出しました。GT500は、「ヘルキャット・レッドアイ」を本気で怒らせることができる稀有な存在と言えるでしょう。

これからもずっと、すべての車好きにとって憧れのマッスルカーであり続けてほしい名車です。

56歳の誕生日おめでとう、フォード・マスタング。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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