期待膨らむ電動バン市場!Fordが米国とカナダ向けに電動商用車「Transit EV」を開発中

Fordは、アメリカとカナダ向けの電動商用バンの開発に取り組んでおり、2022年の発売を目指しています。新型「Ford Transit EV(フォード・トランジットEV)」は、現行のTransitバンを電気自動車にしたもので、主に法人向けの貨物車です。デザインの詳細は明らかになっていませんが、公開されたプレビュースケッチを見る限りでは現行モデルのシルエットを引き継いでいるようです。

Fordによると、貨物バン、大型タクシー、ピックアップトラックといったバージョンを用意し、屋根の高さも3種類から選べるといいます。

コネクティビティ(接続性)においても大きな前進があります。Transit EVは、Ford Telematicsと内蔵のFordPass Connect4G LTEモデムを使用。これにより、最大10台のWiFiデバイスの車載ホットスポット利用が可能になりますが、同時に正確な車両管理も可能です。適切なソフトウェアがあれば、企業はGPSで車両を追跡したり、ジオフェンシング機能(位置情報を利用したサービス)を使用したり、遠隔地から車両の整備状態をモニタリングしたりできるようになります。

EVならではのメリット・デメリット

Fordはすでに各企業に対してセールスを行っており、一般的なエンジン搭載バンに比べてメンテナンスの手間が少なく、運用コストを抑えられると謳っています。

「電気自動車の商用利用は、国や州、地方の電気自動車税の優遇措置のほか、無料駐車などの恩恵を受けることができます。」と同社はアピール。「また電気自動車は、室内、換気が制限された環境、騒音規制区域の夜間走行など、エンジンを搭載したバンでは難しい場所でも運用することができます。」

運転支援系としては、自動緊急ブレーキと歩行者検知機能を備えた衝突軽減アシスト、衝突後の自動ブレーキ、車線維持システムを標準装備します。オートハイビームも標準ですが、ドライバーの安全のためにより多くのオプションが用意されるかもしれません。

ただ、ガソリン車がラインナップから消えるということではなさそうです。EVがまだ実用的でないという状況から、Fordは2022年モデルでも一般的なエンジン搭載バージョンを並行して販売し続けると予想されています。Fordは現段階では航続距離や充電システムについては言及していませんが、たとえDC高速充電器が使えたとしても、ガソリンを満タンにする方が早いでしょう。これは、時間効率が重要な長距離の移動には、完全電動のTransitは向かないということです。

Amazonも参入 電動商用車市場に期待

しかし、Fordが主張しているように、静音駆動のEVバンはガソリン車に比べて多くの利点があります。都市部の過密化や環境規制に伴い、ガソリン・ディーゼル車の居場所は徐々に減ってきています。もしFordがライバルよりも早く電気自動車分野に参入できれば、物流における「ラストワンマイル配送」などで有利な受注ができるかもしれません。

Fordによると、EVバンは2025年にはアメリカのバン産業全体の8%にまで成長すると予測しています。その可能性を見出しているのは、もちろんFordだけではありません。例えば、Amazonは新興EVメーカーRivianに出資し、10万台の電動配達バンを発注しています。ちなみにRivianにはFordも出資しています。

2021年に公式デビューするであろうTransit EVについては、今年中にも詳細情報が明らかになるのではないでしょうか。EVは自動運転システムとの相性もいいので、無人の配達バンが街中を走り回る未来を見越して、開発を急いでいると思われます。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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