Apple(アップル)が2022年1月14日に米国特許商標庁に提出した特許によると、長い間噂されていたアップルによる電気自動車(EV)「Apple Car(アップルカー)」に、音声などの入力を自律走行コマンドに変換できるオンボードAIが搭載される様です。これは、音声アシスタント「Siri」に話しかけることで車を操作できるということを示唆しており、特許の要旨によると、アップルはアップルカーの操作を、権限を与えられた個人(車の運転者に限らず)が指示に基づき、「特定の目的地に向かう車両の経路を決定する」ことができると説明しています。
この特許申請文書の内容で注目すべきは、車の運転者だけでなく、権限を与えられた人であれば誰でも車の経路を決定できるという点です。特許文書内では、「ナビゲーション・マネージャー」と呼ばれる交通管理オペレーターが、自動運転車の誘導することも可能と記述されています。このような技術が普及すれば、渋滞の多い都市の交通管理や、混雑する場所やイベントへの出入りなどが飛躍的に向上するかもしれません。アップルが示したユースケースのシナリオの一例には、駐車場などで駐車する場所をAIが自動的に決める自動駐車も含まれており、将来のアップルカーのドライバーは、駐車スペースを探してぐるぐる回る時間を大幅に短縮することができるかもしれません。
アップルは特許申請文書で、特許技術の「実施形態」と呼ばれる他のいくつかの例を挙げ、システムができることを具体的に説明しています。特許申請文書には、例えば、車の運転席に座っている人の生体情報を検出するカメラを搭載し、指示があった場合、車外操作から運転席に座っている人に操作を引き継ぐことができると記述されています。 また、安全に車両操作の引き継ぎを行うための、いくつかの安全対策が設けられているようです。
この特許申請が明るみになったことで、アップルが過去にアップル内で分裂を引き起こしたアップルカーの研究開発を継続しているということが確認できます。アップルカーの発表時期や
アップルに関するニュースや噂を発信する米ウェブメディア「MacRumors」によると、どうやら数百人のアップル社員が現在、自動運転車の技術開発に取り組んでいるようです。アップルはカリフォルニア州自動車局から、自動運転テストを進めるための許可を得ています(緊急時に備えて操縦者が同乗していることを条件として)。
しかし、他の多くの自動車メーカーと同様にアップルも世界中のコンピューターや自動車メーカーに影響を及ぼしている継続的な半導体の不足に悩まされています。このような先進的な自動車は、間違いなく同社にとってかなりの額の半導体供給コストがかかるものであり、継続的な不足が自動運転車の開発、そして次世代のApple WatchやiPhoneを含む他のApple製品の可能性に下方圧力をかけていることは間違いないでしょう。
いつ発売されるかはともかく、半導体のコストが割高なことも加算し、アップルカーの価格は高級車の領域に入る可能性が高いようです。しかし、アップルカーが将来的に手頃な価格になり、そのナビゲーション技術が渋滞の解消などに貢献する可能性に期待したいところです。
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