国際エネルギー機関(IEA)によると、2021年に世界で販売される自動車の9%が電動化されたドライブトレインを搭載しており、電気自動車(EV)は消費者にかなり人気があることが判明しています。これは、販売された自動車のわずか2.5%がEVだった2019年と比べてみても大幅な増加です(New York Times)。EVの盛り上がりは非常にポジティブで、すでに多くの自動車メーカーが、すべての内燃機関(ICE)車を段階的に廃止し、電動化に移行する計画を発表しています。スウェーデンの自動車メーカー、ボルボは、早ければ2030年にも電動化に踏み切る計画で、その先頭を走っています。さらに、政府もまた、法律や補助金などのインセンティブを通じて、自動車メーカーと自動車購入者の双方に電動化を奨励しています。
カナダも電動化の動きを強く進める国のひとつで、2035年までにICE車の新車販売を停止し、その後国内で販売される車の100%をEVのみにする計画を発表しています。同国は、すでに世界の他の国よりもはるかに地球温暖化の影響を感じているとの調査結果も出ていることもあり、自動車から排出される二酸化炭素を削減することに強い関心を持っています。カナダ環境気候変動庁の報告書によると、カナダは世界の2倍の速度で温暖化が進んでいます。このため、森林火災の深刻度が高まり、降雨の頻度や積雪の期間に影響を与えるなど、好ましくない影響が予想されます。カナダは、EVの普及が気候変動問題の解決につながることを期待しています。
カナダ政府は、EVへの移行を加速させるために、手をこまねいているわけではありません。カナダ政府は、EV充電ステーションに4億ドルの新規資金を提供し、カナダに5万基のEV充電ステーションを追加することを目標としています。また、カナダ・インフラストラクチャー・バンクは、EV充電と関連インフラに約620億円を追加投資する予定です。さらに、EV充電網自体も再生可能エネルギーで駆動するようにするため、「Smart Renewables and Electrification Pathways Program」に約744億円が投資されます。
また、カナダ政府は、カナダの一般市民がより手頃な価格でEVを購入できるよう補助金を提供することを目的としたゼロエミッション車向けインセンティブ(iZEV)プログラムをさらに延長するために約2,100億円を提供するとしています。EV市場の動向などを伝えるカナダのメディア「Electric Autonomy Canada」によると、2021年、カナダで販売される新車のうち、EVは20台に1台に過ぎません。2035年の全EV化目標に向けて、カナダ政府は、2026年に新車販売台数の20%、2030年までに少なくとも60%をEVが占め、2035年には100%の目標を達成するよう、販売義務付けを進めています。
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