ホンダが米国で展開する高級ブランドのアキュラは、MDXに高性能モデル「タイプS」を追加。アキュラのSUVとしてタイプS仕様が設定されるのは初となります。MDX タイプSは、今年6月にコロラド州で開催されたパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムでアキュラチームの公式牽引車として起用され、初公開されました。初公開時には仕様や詳細はベールに包まれていたMDX タイプSですが、アキュラ史上最もパワフルなSUVの全容が、先行予約開始と同時に明らかになりました。
「MDXタイプSは運転好きの人のためのクルマ」と語るのはアキュラナショナルセールスのアシスタントバイスプレジデントであるエミール・コルコール氏。さらに、「刺激的なダイナミックさと、プレミアムな機能、そして家族に優しい居住性を類まれなく兼ね備えている。」とコメントしています。
4世代目の3列シート7人乗りSUV MDXの新型として登場するMDX タイプSは、3リットルV6気筒ターボエンジン搭載で、最大出力355hp、最大トルクは48.9kgmを発揮します。アキュラは詳細な数値を公開していませんが、MDX タイプSは、同ブランドのSUV市場で最速の加速を発生するとコメントしています。駆動方式には最新となる第4世代スーパーハンドリングAWD(SH-AWD)が導入されています。
第4世代SH-AWDでは最大70%のエンジントルクをリアアクスルに伝達し、またそのトルクの最大100%を左または右の後輪に配分することで、グリップや安定性を向上させることができます。足元には21インチのグレーまたはブラックの専用アルミホイールに、アキュラ初となるコンチネンタル製のContiSealタイヤを採用。
MDX通常モデルは長いフロントオーバーハング、ロングホイールベース、ワイドスタンスという力強さを感じる外観ですが、タイプSでは、その傾向がより強いデザインとなっています。エンジンへの空気の流れを約10%向上したオープンダイヤモンドグリル採用した他、以前よりも目立つデザインのサイドベントは、サブラジエーターに空気を送ることで、より良い冷却性を実現しています。
MDX タイプSには、アダプティブエアサスペンション、より硬めのダンパーで設定されたSport+モードが採用されています。エンジンバッテリーを車両後部に移設するなど、重量バランスとハンドリングへの強いこだわりも見せています。雪道や荒れた路面の走行時などには、リフトモードを使用することで、最低地上高を約51mm引き上げることが可能です。
2世代目「NSX」用に開発された電動サーボ式ブレーキシステムを採用した他、ブレーキも大型化され、4ピストンのブレンボ製フロントキャリパーが搭載されています。
インテリアはフラットボトムステアリングホイールや、タイプSエンブレム、コントラストステッチでスポーティに仕上げられています。ソフトタッチのミラノレザーシートはレッド、エボニー、そしてライトオーキッドの3種類を用意。12.3インチのAcura Precision Cockpit、12.3インチのフルHDタッチスクリーンインフォテインメントが標準装備されています。ミラノレザーシート、マッサージ機能付きのフロントシート、25のスピーカーと2つのアンプで高音質を実現するELS Studio 3D Signature Editionを採用した「アドバンスパッケージ」を選択することも可能です。
安全面では、路外逸脱抑制機能、トラフィックジャムアシスト、衝突被害軽減ブレーキ、道路標識認識などの機能がアップデートされた安全支援システム「AcuraWatch」が装備されています。
時速約1.6〜9.7kmの間で車両が前進または後退すると自動的にブレーキがかかる低速衝突軽減ブレーキも搭載。MDX タイプSを含む全てのMDXモデルがIIHS(米道路安全保険協会)の「トップセーフティピック+」、NHTSA(米道路交通安全局)の「総合安全評価」で5つ星を獲得していることから、安全性の評価も高いSUVと言えるでしょう。
アキュラ MDX タイプSは同ブランドの公式専用ウェブサイトで先行予約を開始。価格は60,000USドル(約678万円)からで、2021年12月にデリバリー開始と見込まれています。
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