台湾で成長中の電動二輪車メーカー、Gogoroは、これまでで最も競争の激しい市場に挑戦しています。中国にバッテリー交換システムを導入し、その交換ネットワークの構築を計画しているのです。中国のスクーター企業であるYadea社およびDCJ社と提携し、交換バッテリーで走る二輪車を開発する予定です。
この交換可能なバッテリーシステムは、Gogoroが「Gogoro Network」と呼ぶネットワークの中心となります。充電時には、電動スクーターの車体にプラグを差し込むのではなく、後部から2つのバッテリーブロックを取り出します。充電ステーションにセットすると、代わりにフル充電された2つのバッテリーが提供されるというシステムです。
Gogoroは、この交換場所を「GoStations」として普及に取り組んできました。同社によると、現在、台湾をはじめとする各地に2,100か所のGoStationsがあり、1日平均27万回のバッテリー交換が行われているといいます。今年初め、GogoroはHero MotoCorp社と提携し、インドでこのネットワークを開始しました。
中国での展開は、小規模なものではありません。DCJは、18年間にわたり、中国でスクーター市場のトップメーカーとして100以上のモデルを販売し、15,000以上の小売店を展開しています。一方、Yadeoは、世界第1位の電動二輪車メーカーで、2020年には約1,100万台を販売しました。
今回の提携は、中国が環境汚染の原因となる古いバイクを一掃しようとしていることを受けたものです。新しい規制により、2025年までに約2億7,000万台のバイクが、品質と安全性の両面から廃止される予定です。また、中国の複数の都市では電気インフラに関する新規則が制定され、電気自動車(EV)への移行が促進されるとGogoroは述べています。
中国では、Gogoroのバッテリー交換インフラを展開・管理する新しい事業会社が設立される予定です。今年は1都市のみの展開となりますが、2022年には他の地域にも拡大する予定です。
現時点では、新しいバイクがどのようなデザインで、どのような機能を備えているのかは明らかではありません。Gogoroは当初、バッテリー交換技術のコンセプトを実証するために、独自のスクーターを開発しました。その『GoScooter』は、現在では幅広い価格帯のモデルに拡大していますが、ヤマハ、イオンモータース、eMoving、PGO、eReadyなどのメーカーとも提携し、バッテリーを搭載したサードパーティ製モデルを展開しています。
Gogoroという会社は、スクーターや交通機関ではなく、エネルギーを提供する会社であるというスタンスを貫いています。10年前に立ち上げたGogoro Networkに加えて、同社は新しい電動バイク用モーターとバッテリーシステムを開発しました。現在はかなり高価な自社モデルに採用されていますが、Gogoroは、この技術を使って他の二輪車メーカーと提携することで、利用者の拡大を目指していると述べています。
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