GMのエアバッグに不具合?米安全当局が調査開始 負傷者の報告も

米国のNHTSA(道路交通安全局)は、自動車のエアバッグの欠陥により負傷者が出たとの報告を受け、GM傘下のシボレー、GMC、キャデラックの車両約75万台の調査を開始しました。NHTSAに寄せられた消費者からの苦情は、高級セダンからピックアップトラック、大型SUVなど15件にのぼります。

NHTSAは、「欠陥調査室(ODI)は、ゼネラル・モーターズ(GM)の特定の車両におけるエアバッグシステムの不具合を主張する15件の消費者からの苦情を受け取った。そのうち9件は、エアバッグ誤動作表示(MIL)の点灯を主張している。6件の事故では、運転手用の前席エアバッグが展開しなかったために、前面衝突で大きなダメージを受けている」と発表しました。

調査対象の1つ、GMC『シエラ』

今回の調査では、米国で販売されたシボレーの『シルバラード』、『タホ』、『サバーバン』、GMCの『シエラ』、『ユーコン』、『ユーコンXL』、キャデラックの『エスカレード』、『エスカレードESV』、『CT4』、『CT5』、『XT4』で、それぞれ2020年モデルと2021年モデルが対象となります。影響を受けている車両は749,312台とされます。

GMは2021年3月、衝突時にエアバッグが正しく膨らまなくなる可能性を引き起こす問題を公表し、その原因についても明らかにしています。発表によると、運転席エアバッグのインフレータの接続端子に錆びの粒子が混入することで、センサーに不具合が生じるとのこと。GMは、リコールではなく、ディーラーやサービスセンターに錆び粒子の問題を周知徹底させるという対策を取りました。

現在のところ、エアバッグの不具合による死亡事故は発生していません。しかし、NHTSAによると、15件のクレームのうち、接触事故が6件発生し、8名の負傷者が出ているといいます。

GMはAP通信に対し、「このような症状が発生した車両がある場合、保証の範囲内で修理されます」と述べています。しかし一方で、MILの誤作動ランプが点灯していても、衝突時にはエアバッグが膨らむはずだと主張。エアバッグが正しく展開しなかった事例は確認していないと述べています。

NHTSAの調査では、この問題の深刻度や、解決に向けてGM側のさらなる対応が必要なのかどうかが評価されます。NHTSAは昨年11月、自動車業界全体に影響を与えたタカタ製エアバッグの問題に関連して、GMに600万台のリコールを行うよう命じたばかりです。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です