キャデラック初の市販EV、新型『リリック』プロトタイプ公開 コンセプトとの違いは?

キャデラック初の電動SUV『リリック(Lyriq)』の市販仕様のプロトタイプが一部公開されました。ゼネラル・モーターズ(以下GM)のセールス&マーケティング担当副社長であるマフムード・サマラがソーシャルメディアで、ミシガン州の試験場で走行するプロトタイプの画像を公開。斬新なスタイルで注目を集めたコンセプトモデルとの違いはあるのでしょうか。

昨年発表されたコンセプトとの違いとしては、まず、Cピラー周りのデザインがやや控えめになったほか、Bピラーが太くなっていることがわかります。クーペスタイルのルーフは実用性確保のために若干高くなっているように見え、テールライトの形状も大人しくなっているようです。カモフラージュが施されているため詳細は明らかではありませんが、コンセプトよりデザインがトーンダウンしていると思われます。

公開されたキャデラック『リリック』のプロトタイプ

GMのメアリー・バーラCEOは、リリックは2022年初頭に生産を開始すると述べていましたが、どうやらその準備は順調に進んでいるようです。サマラはLinkedInの投稿で、「プロトタイプが完成した今、わたし達の素晴らしいエンジニアリングチームは、キャデラックの完全電動の未来の礎となる、素晴らしいSUVを提供するために、リリックの最終調整に懸命に取り組んでいます」と述べています。

リリックは、GMのEV専用プラットフォームを採用しており、これはGM傘下のモデルとしては初めてのことです。アルティウムバッテリーからパワーを引き出し、最大640kmの航続距離と最大150kWのDC急速充電を実現します。キャデラックによると、1基の電気モーターで後輪を駆動する標準モデルと、2基の電気モーターで四輪を駆動するパフォーマンスモデルを用意するとのこと。

キャデラック『リリック』のコンセプト

馬力やトルクなどの数値は明らかにされていませんが、前後重量配分がほぼ50対50であることから、ハンドリングに重きを置いていると思われます。パフォーマンスモデルでは、0-97km/h加速を3.0秒以下で駆け抜けるような、スポーツカー顔負けの加速力が期待されています。また、GMのハンズフリー運転支援システムであるスーパークルーズが搭載される予定です。

この新型リリックの製造のために、GMはテネシー州のスプリングヒル組立工場に20億ドル(2,196億円)を投資しました。また、同社のEV戦略では、待望の『ハマーEV』と『ハマーEV SUV』、ビュイックのクロスオーバーEV、フォード『F-150』のEV仕様に対抗するシボレーのEVピックアップトラックなど複数のモデルが計画されています。

一方、キャデラックは、7人乗りの大型SUV(エスカレードのEV?)や小型の高級クロスオーバーなど、最大4種類のEVを発売する予定です。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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