米ゼネラル・モーターズ(GM)は、半導体部品の不足が続いているため、自動車工場の生産休止を延長すると発表しました。GMは2月初旬、主要な生産施設のうち4つのラインを休止すると発表し、20億ドル(約2,100億円)の収益削減になる可能性があるとしていました。半導体不足の影響が長引いています。
GMによると、メキシコのサンルイス・ポトシ工場は2021年3月末まで、カンザス州フェアファックスとカナダのCAMI工場については「少なくとも4月中旬まで」生産休止期間が延長されるといいます。また、新たにブラジルのグラヴァタイ工場も4~5月にかけて操業を休止。GM は、休止期間の延長による収益への影響はないと見ています。
GMは需要と利益が高いカテゴリー、特にフルサイズトラックとSUVに供給能力を集中させてきました。同社はこれまで、減産を理由にトラック工場の休止やシフト削減は行っていないとしています。
「当社は、サプライヤーの半導体要件に対するソリューションを見つけ、GMへの影響を軽減するために、供給ベースと緊密に協力していきます」(GM)
休止した4工場で生産されているモデルは以下の通り。
- カナダCAMI工場:シボレー『エキノックス』
- フェアファックス工場:シボレー『マリブ』、キャデラック『XT4』
- サンルイス・ポトシ工場:エキノックス、シボレー『オニキス』、GMC『テレイン』
- ブラジル・グラヴァタイ工場:オニキス、シボレー『プリズマ』
GMは「これらの工場で失われた生産量を可能な限り補う」とし、2021年後半には半導体不足が緩和されるという見通しを立てていますが、多くのメーカーが先行きを不安視しています。
PSAグループとFCAグループの合併により誕生した新会社ステランティス(Stellantis)などは、半導体不足が2021年下半期にまで続く可能性があるとの見解を示しています。ステランティスは、予想される財務上の打撃についてはまだ明らかにしていません。
フォードは他社よりもさらに悲観的な見方をしています。同社は25億ドル(約2,600億円)規模の収益減を予想しており、生産休止の影響はベストセラー車の『F-150』にまで及んでいます。
クルマはハイテク化が進む一方で、それに伴い必要とされる半導体も増え続けています。例えば、GM傘下のシボレーは2月、ハンズフリーの運転支援システムを初めて搭載する新型EVクロスオーバー『ボルトEUV』を発表しました。自動運転やコネクティビティが重視される中、それらを制御するコンピューター関連部品の需要がますます高まってきています。
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