米ロサンゼルスに拠点を構える新興EVメーカーのカヌーは、2022年に発売予定の新型商用バンを発表しました。価格は33,000ドル(344万円)から。独自に開発したスケートボード型のプラットフォームをベースにしており、EPAサイクルで最大370kmの航続距離を実現すると予想されています。
カヌーは2019年、サブスクリプション利用を目的としたEVを発表して話題を集めました。最大7人まで座ることができ、バッテリー、電気駆動系、およびステアバイワイヤシステムを組み合わせたカヌー独自のプラットフォーム採用していました。
さらに、目的に合わせてさまざまなタイプのボディを選択することができるというのがカヌーの提案でした。こうした個性的な提案に注目したのがヒュンダイで、両社は今年初めにEV向けプラットフォームを共同開発すると発表しました。
しかし、今回発表されたバンはカヌーの独自製品となります。従来のガソリンやディーゼルのバンよりもランニングコストが低く、柔軟性に富んでいる点が特徴。カヌーによると、現在市場で人気のある商用バンと比較して、コストは6~7年で5~8万ドル(522~835万円)改善されるといいます。
実現すれば、カヌーはアマゾンと提携してEV配送車を大量導入しているリビアンのような新興企業や、フォードをはじめとする巨大メーカーと対峙することになるでしょう。
バンの構成は現時点で3種類。最もコンパクトな『MPDV1』は、全長約4,390mm、全高約1,890mmで、高さ制限のあるエリアでも利用できるサイズとなっています。最大積載量は約800kg。80kWhのバッテリーと、前輪を駆動する電気モーターを搭載。200馬力と320Nmのトルクを発揮します。航続距離はバッテリーサイズに応じて、210~370kmとされています。
ミドルサイズの『MPDV2』は全長約5,180mm、全高約2,560mmと背が高く、ウォークスルーでの使用に適しています。パワートレインはMPDV1と同じで、推定航続距離は145~305km。
最も大きい『MPDV3』の詳細は後日公開されることになっていますが、カヌーによるとクラス3の小型トラックカテゴリーに入るといいます。配送業者、小売業者、物流会社など大口の顧客向けに、個別にカスタマイズして提供されるとのこと。
全モデルで双方向充電が可能なので、移動式発電機の代わりに出先でツールを充電できるほか、キャビンはオフィススペースとしても機能するように設計されています。ロールアップ式または観音開きのリアゲート、スライドアウト式のスロープ、サイドの収納ロッカーなど、高い柔軟性も特徴的です。バッテリーのサイズにもよりますが、DC急速充電に対応し、28分で20%から80%まで充電できます。
スチールフレーム構造で、横置きリーフスプリング、ダブルウィッシュボーン式サスペンション、可変ギアレシオステアリング、ブレーキバイワイヤを採用。コネクテッド機能やレベル2.5の運転支援技術も備えています。カヌーは、将来的には完全自動運転に移行することができるとしています。
今回のバンはまず米国で販売し、その後、他の地域にも展開していく予定です。現在、100ドルのデポジットで予約注文することができます。
カヌーMPDVの画像はこちらからどうぞ。ギャラリー
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