ホンダは電気自動車の計画を見直しています。「ホンダe」のかわいらしさには目を引かれますが、9月26日には新たな衝撃がやってきます。北京モーターショー2020に向けて、ホンダの新しいEVの新コンセプトの準備が進められているのです。
影の薄いホンダのEVセダン「クラリティEV」は、かつて北米で販売されていたクラリティ・トリオの3番目のモデルでした。PHEV(プラグインハイブリッド)、FCV(水素燃料電池)と並んで販売されていたものの、3月にはプラグが抜かれてしまいました。
クラリティEVの販売停止はそれほど驚きではありませんでした。ホンダが北米市場で唯一展開する電気自動車であるクラリティは、航続距離がわずか約140kmということで、2017年の発売時から注目を集めていたわけではありませんでした。
現在注目を集めるホンダeは、北米には導入されないことになっていますが、よりエキサイティングな電動化を念頭に置いていると同社は主張していました。
ホンダはGMと提携し、アルティウムと呼ばれるプラットフォームを使用して2台の新しい電動化モデルを開発すると宣言。アルティウムプラットフォームは、GMC「ハマーEV」、キャデラック「リリック」などのSUVに採用されるEV向けアーキテクチャーです。構成にもよりますが、GMはアルティウムを使用することで640km以上の航続距離を達成できると主張しており、クラリティEVのそれをはるかに上回ります。
ホンダは、2つの新モデルの設計、ブランド化、販売を行います。それがどんなクルマなのかは明らかにされていませんが、来るべき北京モーターショーで披露されるコンセプトには注目すべきでしょう。
公開されたティザー画像では、丸みのあるホンダeとは正反対の、アグレッシブで角張ったボディラインが目を引きます。ボンネットとフロントバンパーのシャープなライン、横一文字のLEDバー、ライトアップされたホンダのロゴなど、近未来的なデザインです。
このコンセプトは、「ホンダブランドが中国で初めて導入するEVの量産モデルの方向性を示すことを意図している」と、ホンダは述べています。
中国で発売されたものが、日本など他の市場でも発売されるという保証はありません。中国向けに作られた中国製のクルマと、日本や欧米で展開するクルマは大きく異なる可能性があります。
GMのアルティウムプラットフォームが広く使われることを考えると、今後次々と登場するGMブランドのEVと、ホンダブランドのEVを区別するのは難しくなるかもしれません。
差別化を図るためには、「CR-V」のような従来のエンジン搭載車のファンをEVに引き込むという課題は言うまでもなく、2台の新型EVでユーザーの心を掴む努力が必要です。
コメントを残す