低温に強いサマータイヤをピレリが開発:パンクを防ぐ新機構も

イタリアのタイヤメーカーであるピレリは、オールシーズンの全天候性能にハイテク技術を盛り込んだ次世代サマータイヤ「チンチュラートP7(Cinturato P7)」を発表しました。これまでのものとは一線を画すタイヤで、その秘密は素材にあります。ピレリは、文字通りさまざまな気象条件に適応するハイテクの高分子化合物を採用。サマータイヤが一般的に苦手とするウェット路面でもグリップを維持します。

先代のチンチュラートP7もサマータイヤでしたが、主に長距離ツーリング向けでした。年間を通して高速道路を運転するには最適なタイヤですが、スポーティなハンドリングよりも快適性や安全性といった実用面を優先しています。しかし、今回の新モデルはツーリングのDNAを捨て、運動性能の向上を目指しました。また、サマータイヤでありながらウェット路面でのパフォーマンスを向上させている点も革新的です。

サマータイヤは、オールシーズンタイヤとは異なります。サマータイヤは、グリップ力を最大限発揮するためにを必要とするため、夏などの暑い天候化で走るスポーツセダンやクーペに最適です。ところが、雨が降ると気温の低下によりグリップ力は失われてしまいます。

ピレリのエンジニアが3年の歳月をかけて開発した新チンチュラートP7。先代の非対称トレッドデザインを踏襲しながらも、非常に革新的なトレッドコンパウンドで作られています。特殊なグリップエンハンサーと合成ポリマーを配合したフルシリカコンパウンドを使用し、路面温度に応じてポリマーの化学組成を自己変化させることで、さまざまな気象条件に適応します。

熱に依存するサマータイヤでありながら、ウェット路面や滑りやすい路面でもグリップ力を維持し、シャープなハンドリングや、強い制動力を発揮します。ピレリによると、ウェット路面でも時速97km/hからフルブレーキをかけた場合、先代より4m手前でクルマを止められるといいます。さらに転がり抵抗が12%向上しているので、燃費も約4%向上。他のサマータイヤに比べて摩耗しにくく、長持ちするという特徴もあります。

ランフラットであることはもちろん、パンクしても空気圧が減りにくいシールインサイドという構造を採用。釘などを踏んでしまった場合、その穴を塞いで空気の漏れを防ぐ技術です。これらの新機能と、天候の変化に応じてグリップ力を変化させられる能力を備えたチンチュラートP7は、次世代のハイブリッドサマータイヤの先駆けとなるでしょう。

林 汰久也

愛知県在住 27歳。ハウスメーカーの営業を経て、IT企業のメディア事業に参画。記事制作ディレクターとして店舗紹介記事などの制作に携わる。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。

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