クモの毒を注入したマクラーレン「600LT」特別仕様車誕生

クモは英語で「スパイダー(Spider)」ですが、これは同時にオープンカーを指す言葉でもあります。今回、マクラーレンは “スパイダー・スパイダー” と呼ばれる「600LT」の特別仕様車を発表しました。このオープンカーには、猛毒を持つクモへのオマージュが込められています。6つの眼もなければ8本の脚もありませんが、マクラーレンらしい威嚇的なルックスと爽快なパフォーマンスが融合したモデルです。

自動車メーカーが生物をモチーフにした車をデザインすることは珍しくありません。今回の特別仕様車「600LT Segestria Borealis」がインスピレーションを受けたクモとは、ヨーロッパと北米の一部に生息するエンマグモの一種「Segestria Florentina」。艶やかな黒い体に珍しい緑色の牙が特徴的な毒蜘蛛です。

このクルマは直射日光を浴びると、実際のクモのようにパープル、ブルー、グリーンなどさまざまな色合いを見せる「ボレアリス・ブラック塗装」が施されています。輝く緑色の牙を彷彿とさせるネイピアグリーンのピンストライプがボディ全体に張り巡らされているほか、ブレーキキャリパーも同じ緑で仕上げられています。

サイドミラーとリアスポイラーにはクモの巣模様が描かれています。アルカンターラ張りのインテリアにも同じ模様が施されており、シートやフロアマット、ステアリングホイールに同色のステッチが施されています。

特別装備として、MSO クラブスポーツパッケージを設定。カーボン製の内装加飾、フェンダールーバー、チタン製ホイールボルト、フロントエンドリフター、「セナ」から応用した軽量シートなどが採用されています。さらに、トラックテレメトリーシステム、新しいアラームシステム、12個のスピーカーを備えたBowers & Wilkinsのプレミアムオーディオシステムなどもパッケージに含まれています。

パワートレインには手を加えておらず、スペックは通常の600LTと変わりません。格納式の電動ハードトップを備えながら 1,300kgを切る軽量ボディ、空力に特化したスタイリング。十分に完成されているスーパースポーツカーです。

最高出力592馬力/最大トルク620Nmを引き出す3.8L V8ツインターボエンジンを搭載した600LTは、停止状態から2.8秒で時速96km/hまで駆け上がります。また、ルーフを開けたオープン状態での最高速度は315km/h(クローズ時は324km/h)に達します。

マクラーレン 600LT Segestria Borealisは12台のみの限定モデル。北米向け600LTの最終モデルとなるようです。標準モデルはすでに完売していますが、北米の販売店では現在スパイダー・スパイダーのオーダーを受け付けています。

この不思議な車はいくらなのか、気になりますか? 販売価格は275,000ドル(2,949万円)となっており、希少種にふさわしく高価な設定です。クモが苦手な人にとっては、理解できない金額かもしれません。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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