伝統的なマッスルカーが電動SUVになったことで話題のフォード「マスタング マッハE」ですが、今秋後半の発売を予定しているにも関わらず、早くも性能とバッテリーのスペック向上が図られています。フォードのディーラーから入手した文書によると、最新のマスタング マッハEは、より多くの馬力とトルク、および以前発表されたよりも大容量のバッテリーを投入するように設定されています。
しかも、どうやらこのアップデートは、上位グレードに限定されているわけではないようです。ベースのシングルモーター後輪駆動モデルでさえ、より多くのパワーとより大容量のバッテリーの恩恵を受けることになります。
2021年モデルのマスタング マッハEは、後輪駆動(シングルモーター)と全輪駆動(デュアルモーター)が設定され、2種類のバッテリーから選択できます。スタンダード(Standard)のマッハEは75.7kWh、エクステンデッド(Extended)では98.8kWhのバッテリーを搭載しています。愛好家クラブの「マッハE フォーラム(Mach-E Forum)」が入手した資料によると、スタンダードバージョンとエクステンデッドレンジバージョンの両方で馬力とバッテリー容量のアップグレードが行われるとのことです。
フォードは当初、ベースとなるシングルモーター後輪駆動のモデルが255馬力、航続距離は230マイル(370km)程度であると謳っていました。しかし、新仕様では、11馬力、15Nm、8kWが追加されて最高出力266馬力・最大トルク430Nmとなっています。ベースグレードの電動SUVとしては悪くないですよね?
そして、上位のエクステンデッドモデル(拡張バッテリー)では、8馬力、15Nm、6kW増加しており、最高出力290馬力・最大トルク430Nmとハイスペックです。
一方、ベースモデルの全輪駆動仕様では、11馬力、15Nm、8kWが追加されています(最高出力266馬力・最大トルク580Nm)。最もパワフルなのは全輪駆動のエクステンテッドモデルで、14馬力、15Nm、10kW増加し、最高出力342馬力・最大トルク580Nmというパフォーマンスを有することになります。
フォードはどのようにしてマスタング マッハEからより多くのパワーを引き出したのでしょうか? メーカーはその方法を明らかにしていませんが、おそらくソフトウェアの改良にかかっていると思われます。ソフトウェア改良による効率化は、テスラやその他のEVメーカーでもよく見られることです。
しかし、この文書では、電動マスタングの最強バージョンである「マッハE GT」については何も触れられていません。最高出力459馬力・最大トルク830Nmを発生させることができ、テスラ「モデルY」を真正面から迎え撃つ高性能な派生モデルです。
アウディやメルセデスといった主要の競合車種とも十分に渡り合えるスペックを持つマッハEですが、フォードは日本から撤退しているため私たちが乗れる可能性は低いでしょう。ただ、国内メーカーは未だにハイブリッド車を主眼に置いていることから、数少ないEVモデルとしてフォードが日本に売り込むチャンスはあるのかもしれません。
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