EVにとって最大の頭痛の種はバッテリー切れです。コンセントから延長ケーブルが届かないような道端で立ち往生する不安に対し、Blink社(米国)は答えを見つけたようです。BlinkのモバイルEV充電器は、緊急時にEVを充電して道路に戻すために設計されていますが、そのバックアップ電力がどこから来ているのかを知っておく必要があるでしょう。
携帯型のEV充電器は、ガソリンとの別れを告げるアイテムのようにも思えます。しかし、この充電器を動かすにはガソリンを燃やす必要があります。
Blinkは、工事現場や停電時に使われるような発電機を効果的に用いて、IQ 200充電器を開発しました。10.9ガロン(41.2L)のレギュラーガソリンを使用し、標準的なプラグ(Tesla車にはアダプタ経由)でEVを充電して走らせることができます。
最大9.6 kWの連続的な電力供給が可能で、車種にもよりますが、毎分0~5マイル(約0~8km)相当の充電を行います。Blinkによると、発電機は燃料満タンの状態で最大9時間作動するとのことですが、これは50%の負荷を想定したものです。長期的な解決策とは言えないかもしれません。
滑稽に思えるでしょうが、このポータブル充電器は、本来の目的からすればかなり理にかなっていると言えます。充電のためにリチウムイオンバッテリーを持ち歩くこともできますが、充電容量を同等にするためには、かなりサイズを大きくする必要があります。充電速度は、レベル2以上の充電器よりはずっと遅いですが、最悪の事態が起きたときには十分でしょう。
Blinkは、航続距離の不安を回避するもう1つの可能性として、ロードサービスを行う企業や自動車メーカーなどにとって理想的な製品だと売り込んでいます。スタンドアロン版とコネクテッド版があり、後者はWiFiを使ってBlinkの充電器ネットワークに接続できます。そうすることで、緊急の充電が必要なEVドライバーは、通常のBlinkアカウントを使って充電料金を支払うことが可能になります。
もちろん、小型のガソリンエンジンを発電機として使うことは、EVの世界では全く新しいことではありません。Blinkのアイディアに近いのは、BMW「i3 」の上位モデルや、日産「ノート e-POWER」といったレンジエクステンダーでしょう。これらのエンジンは車輪を直接駆動するように設計されているのではなく、バッテリーの電力源として機能するものです。
現時点では、携帯型充電器の価格や、個人のEVオーナーに直接販売する計画があるかどうかは明らかにされていません。
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