インドの自動車大手タタ・モーターズ の傘下にある英自動車メーカー「ジャガー・ランドローバー」は、自動運転EV(電気自動車)の最新コンセプトカー「Project Vector(プロジェクト・ベクター)」を発表しました。これは、ジャガーが「排出ガスゼロ」「事故ゼロ」「渋滞ゼロ」を目標に掲げる「Destination Zero 」のプロジェクトの一環です。車両は既存の車のプラットフォームを使用するのではなく、都市に優しい新しい構造をもとにしています。路上走行は2021年後半を目指しています。
広い室内空間、Cruise Originを彷彿させる見た目
例えば、最新の「Jaguar F-Type」と共に美人コンテストに出場したら、 このコンセプトカーはグランプリは獲れないかもしれません。しかし、様々な用途への対応力には優れています。全長は約4メートルで、都市部の街路でも実用的です。
バッテリーと駆動系(バッテリーの出力を駆動輪に伝える部品)は床下に搭載しているため、室内空間を最大限に活用できます。ジャガーは、Project Vectorが交通手段や配車サービス、宅配サービスなど、用途に関わらず様々なレイアウトが可能だと考えています。しかし、最近の自動運転車のニュースをフォローしている人にとっては、これはお馴染みのフレーズのように聞こえるでしょう。
実際、Project Vectorは、自動運転開発の業界大手GM(ゼネラルモーターズ)が支援する「Cruise(クルーズ)」が先月発表した 自動運転EV「Origin(オリジン)」 と見た目にもよく似ています。
(Cruise Origin の過去記事:https://slashgear.jp/cars/1360「Cruise Origin 発表:自動運転配車サービスの未来像?」2020年1月28日)
行政と共にモビリティサービスを計画
公道での走行試験は、2021年後半から英ウェスト・ミッドランズ州の都市コベントリーで始まる予定です。ジャガーは、コベントリー市議会とウェスト・ミッドランズ合同行政機構と協力し、モビリティサービスを計画しています。
とはいえ、ジャガーの自動運転車は今回が初めてではありません。同社は、米googleが親会社の「Alphabet(アルファベット)」傘下で自動運転開発を手がける「Waymo(ウェイモ)」のパートナーになっています。昨年数々の自動車賞を受賞し話題になったピュアEV「I-PACE(アイペイス)」を大量にWaymoへ納入しているのです。
Project Vectorのモビリティサービスもまだ詳細は明らかにされていないので、今後、Waymoとのプロジェクトとあわせ、ジャガーの動向はますます注目されます。
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