ブガッティの輝かしい航空の歴史を知っている人は少ないでしょう。知られざる「空の伝説」にオマージュを捧げたのが、「シロン・スポーツ」をベースにした限定生産のブガッティ「シロン レ・レジェンド・デュ・シエル(Les Légendes du Ciel)」です。20台のみ生産予定で、価格は288万ユーロ(約3億5,800万円)となっています。
ブガッティのステファン・ヴィンケルマンCEOは、「同社は110年以上前の創業以来、航空と密接な関係を持っている」と語りました。
創業者のエットーレ・ブガッティは、航空に魅了されていました。ブガッティが航空機用エンジンの開発を始めたのは1915年。ドイチュ・デ・ラ・ムルトのカップレースに出場するためにレース用航空機「100P」の開発に着手したのが1938年です。
さらに、ブガッティのレーシングドライバーとして成功したアルバート・ディーヴォ、ロベール・ブノワ、バルトロメオ・コスタンティーニなど多くがフランス空軍に所属。フランスの伝説的な飛行士ローラン・ギャロスは、プライベートでブガッティの「T18」を操縦していました。
「それゆえ、今日、当時の伝説に敬意を表し、スペシャル・エディションを捧げることは、わたし達の義務に近いものがあります」(ヴィンケルマン)
こうして生まれたシロン レ・レジェンド・デュ・シエルには、航空にインスパイアされたディテールが満載です。シートのヘッドレスト、フロントフェンダー、センターコンソールには、航空機やプロペラのロゴが多数見られます。
また、ドアパネルにはブガッティの名車「タイプ13」と、第一次大戦中のフランス空軍の複葉戦闘機であるニューポール「17」が描かれています。
生産される20台はすべて、専用色のグリス・サーペント(マットグレー)が施されています。グロスホワイトのレーシングストライプ、グロスブラックのフロントグリル、サイドシルのフランス国旗の青・白・赤のカラーリングなど、航空機を彷彿とさせるデザインとなっています。
インテリアには、上質なガウチョのライトブラウンレザーとプレミアムアルミトリムを採用。オプション装備として、コンフォートシートや「スカイビュー」ガラスルーフなどが用意されています。
8.0L W16クアッドターボエンジンをミッドシップに搭載し、1,479馬力と1,600Nmのトルクを発生します。この専用モデルの生産は、2020年末近くに開始される予定です。
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