COVID-19(新型コロナウイルス)の大流行により、ここ数週間で家電製品の需要が急増しています。テレビやゲーム機のような娯楽機器や、携帯電話やコンピュータのような生産性向上ツールに対するニーズは、検疫による自宅隔離やロックダウンの期間中、かつてないほど高くなっています。このような状況は、PC業界にとっても恩恵があるはずで、ある程度はプラスの影響をもたらしたと言えるでしょう。しかし、皮肉なことに、需要の急増を引き起こしたのと同じ原因が、出荷の大きな落ち込みを引き起こしています。
需要は高いが出荷が追いつかない
IDCの報告によると、このような状況ゆえにPCは飛ぶように売れており、そのために一時的に売り上げが伸びた可能性があります。しかし、需要が高い状態が続いている一方で、メーカーはその需要を満たすだけの在庫を確保し、出荷することができません。結局のところ、新型コロナウイルスは、売上増加と出荷減少の両方の状況の原因を作り出しました。
PCメーカーや小売業者は、パンデミックとなる事態に備えられていなかったため、2020年には、インテルを中心としたプロセッサの供給不足に陥りました。新型コロナウイルスが流行したときには、中国の工場は必要な部品と人員を供給するには遅すぎました。中国でビジネスが再開しても、ペースが落ちたことで、PCメーカーが販売するコンピュータの台数が、消費者が買いたいと思っている台数よりも少なくなっています。
各社で出荷台数減少、更に今後は需要も落ち着いてしまう可能性が
上記の表をご覧ください。デルを除くすべてのOEMは2020年第1四半期の出荷台数が減少しました。レノボは128億3000万台の出荷台数で市場の23.9%のシェアを維持し、依然トップでした。最も大きな打撃となったのはAppleで、前年同期比で21%の減少が見られました。このような状況では、その高額な価格設定が不利に働いているのかもしれません。
残念ながら、IDCは今後数四半期のPC市場に大きな期待を寄せていません。生産はようやくペースを取り戻すことができるでしょうが、企業の買い入れが減り、家庭での需要も、今の所持品に落ち着いていくことから、需要の急増が続く可能性は低いでしょう。さらに悪いことに、世界的な景気後退は、企業が倒産する可能性があることを意味し、人々も企業も残りの財政を他の優先事項に費やすことを選択すると見られています。
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