Facebook は2020年の3月2日、最新のiOS版のアプリを公開しました。これは Messenger の動作性やコスト削減を目的にスタートした「Project LightSpeed」によって成し遂げられ、過去には Facebook のサービスでも同様の取り組みが行われています。今回のアップデートでユーザー体験の向上が期待されています。
肥大化しすぎたFacebook サービス
Facebook は、インスタントメッセージング機能を「Messenger」という独自のアプリに分割し、それぞれが独自に成長・進化できるようにしてきました。Facebook 上においては過去に様々なスキャンダルがあったにもかかわらず、“ソーシャルメディアの王様“としての勢いは衰え知らずであり、この Messenger を介して日々億単位の人々が接続して通信しています。インスタントメッセージングサービスは、長年にわたって機能を蓄積してきましたが、特にチェックされることもなく、アプリをかなり肥大化してしまいました。こうして、アプリを分割したにもかかわらず、メインの Facebook アプリと同程度の複雑性、速度になってしまいました。
巨大なSNSの一角であるFacebookは、メインのFacebookアプリの「Lite」バージョンを作成することで、その過成長を抑えようと取り組みました。
今回紹介する「Project LightSpeed」は、iOS版のメッセンジャーアプリでも、メインのFacebookアプリの「Lite」バージョンと同様の「肥大化問題」に対応する目的でスタートしています。
「Project LightSpeed」の取り組み
Facebookのソフトウェアエンジニアは、「Project LightSpeed」という取り組みを発表しました。この取り組みによって、アプリ内部のコードを100万行以上から40万行未満に削減し、操作性がより能率的になります。
おそらくユーザーは、実は技術的に重要なポイント、つまりアプリがこっそり新しいバージョンに円滑に移行しているという点には気がつかないでしょう。しかし、Facebook によると、起動速度がどれだけ高速になったか、またアプリの動作が速くなったかという点にはきっと気がつくだろうと、自信をのぞかせています。
これらの取り組みは、アプリのサイズとプロセスの両方で、データの節約につながり、最終的にはコストの節約にもなります。
Android版での展開は言及なし
新しい LightSpeed ベースのメッセンジャーアプリは、iOS版でのリリースにとどまっており、Android版についてはまだ何も語られていません。Project LightSpeed は、効率性のみを重視した試みでなく、これから予定されるiOS版とAndroid版の均一化のために Facebook のメッセージングプラットフォームを準備する役割も果たしています。
コメントを残す