スロバキアで空飛ぶクルマが上空飛行の許可を取得

スロバキアのKlein Vison(クライン・ヴィジョン)社は、人類の空飛ぶクルマへの憧れの実現化に着実に近づいている様です。クライン・ビジョンの「AirCar」プロトタイプは、欧州航空安全機関(EASA)が義務付ける70時間の飛行試験(200回以上の離着陸)を終え、このほどスロバキア運輸当局から、航空機の強度・構造・性能の安全性などを認める耐空証明を取得しました。

耐空証明の取得は、AirCarがスロバキアの空を自由に飛び回ることができるようになったことを意味するものです。現時点ではスロバキア国内での飛行に留まりますが、耐空証明を取得したことで、AirCarの量産化は現実味を帯びてきました。

空飛ぶクルマといえば、昨年FAA(連邦航空局)から軽スポーツ耐空証明を取得した米国のベンシャー企業Terafugia(テラフュージア)社の空飛ぶクルマ「Transition(トランジション)」も話題になりました。どちらもガソリン内燃機関を搭載した2人乗りの空飛ぶクルマですがが、そのスタイリングはこれ以上ないほど異なっています。

テラフュージアの空飛ぶクルマが低翼練習機パイパーアロー・トマホークに4輪をつけたようなものであるのに対し、AirCarはスポーツクーペと小型飛行機を合体させたようなものです。4輪でありながら、折りたたみ式の翼を備えており、いざというときには翼を広げて空を飛ぶことができます。

AirCarの開発は2017年に始まり、2021年6月までに、2つの国際空港間(リトアニアのニダ〜スロバキアのブラティスラバ)の35分間の試験飛行を完了し、民間航空局(CAA)の監督のもと、40時間以上の試験飛行を終えています。AirCarは航海中に45度の急旋回を行い、8200フィートまで上昇し、最高巡航速度118mph(190キロメートル)を達成しました。

AirCarの発明者であり、開発チームのリーダー、テストパイロットであるStefan Klein(ステファン・クライン)教授は、「AirCarの認証は、非常に効率の良い空飛ぶ車の大量生産への扉を開くものです。これは公式なものであり、中距離移動を永遠に変える我々の能力を最終的に確認するものです。」と述べています。

AirCarは、今後一年位内にアップグレードモデルの飛行が事前承認され、2023年初頭から半ばまでに生産が開始される予定です。

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