トランプ政権は、Twitterなどのソーシャルメディアがサイト上の投稿に責任を持つよう命じました。この大統領命令は、ソーシャルメディア企業が投稿を検閲したり、ユーザーの言論の自由を侵した場合には、連邦規制当局が取り締まることができるというものです。
ことの始まりは、Twitterが大統領の2つのつぶやきのを検閲したことでした。1つは「メールで投票した」という虚偽の主張でした。 まずこれに対してTwitterは、この大統領のツイートには事実確認が必要だとするマークを付けます。さらにミネソタ州の抗議に関する大統領のツイートを問題視します。それは「略奪が始まる時、(それを撃つ)銃撃もまた始まる」というもの。Twitterはこれが暴力を煽っているとしたのです。
ホワイトハウスは次のように述べています。「大規模なソーシャルメディア企業は、自分たちが気に入らない意見を見つけるとエスカレートし始める。彼らは他人の投稿を表示する掲示板の立場から、コンテンツを作る側になろうとする。」
ソーシャルメディアの今
1996年に制定された通信品位法第230条は、現代のデジタルコンテンツの基礎になっています。ソーシャルメディア企業は、プラットフォーム上のコンテンツをペナルティなしにモデレートする権限をほぼ全面的に与えられています。
230条では、ユーザーがサイトに投稿した投稿に対してテクノロジー企業が責任を負わないため、インターネットに自由に投稿できます。それは掲示板のようなものであり、コンテンツの配布者ではありますが、発行者ではありません。ほとんどのテクノロジー企業は、暴力やヌードなどの極端なコンテンツを規制するために介入するだけです。
今回の法案が可決された場合、ユーザーの言論の自由を制限したり、公正な審問なしに利用規約から逸脱したりすると、Facebook、Twitter、その他の企業は230条で守られなくなる可能性があります。ホワイトハウスは言います。「議論することは、大学や市民ホールや家庭内で大事なことです。もちろんオンラインでも同様です。民主主義を維持することは絶対に必要なことなのです。」
SNSは発行者か、それとも場を提供しているだけなのか?
230条では、次のように書かれています。「相互コンピューターサービスのプロバイダーまたはユーザーは、投稿者によって提供される情報の発行者として扱われない。」
しかし、ソーシャルメディア企業は一般向けの投稿を表示するだけの掲示板から変化し、他人の投稿であっても誤った情報を規制する措置を講じてきました。虚偽の情報は急速に広がり、経済的に打撃を与えたり、人の命が奪われることさえあります。また。権力者のコメントはいつもニュースになりますが、それが正しいかどうか世間の目で監視する必要があります。これはソーシャルメディア企業にとって舵取りが難しい問題です。昨今では表現の自由と責任ある出版の間にジレンマが生じているのです。
ほとんどの場合、投稿に問題がある場合は投稿者だけが責任を負うことは理にかなっています。しかし一方で、ソーシャルメディア企業は、投稿による広告収入から利益を得ており、公開されたコンテンツに利害関係が認められます。ソーシャルメディア企業は自分たちが中立であると主張しているため、この主張が本当かどうか、企業側に説明責任を持たせたい場合があることを示しています。今回トランプ大統領は、ここに照準を当てているのです。
トランプ政権がこのまま態度を変えないのであれば、ソーシャルメディアには今後規制がかかって行くでしょう。230条が守ってくれないのであれば、ソーシャルメディアは虚偽または中傷的な投稿に対して責任を負わなければいけなくなります。おそらく大統領の投稿にさえ、責任を持たなくてはならなくなるでしょう。
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