生魚に寄生するアニサキスが劇的に増加

米ワシントン大学が発表した新しい研究によると、生鮮魚介類(不十分な冷凍又は加熱のものを含む)で食べることによって人間に寄生するアニサキスが、近年著しく増加していることを突き止めました。この調査によると1970年以降、アニサキスとして知られる寄生虫の発生件数が283倍に増加しています。

激しい痛みに襲われるが重症化する事はほとんどない

アニサキスなど寄生虫の大幅な増加は、知らず知らずのうちにこの寄生虫を食べてしまう事により、人間と海洋動物の双方に重大な影響を及ぼす可能性があります。研究者たちによると、ある時期に特定の場所に寄生する寄生虫を調べた論文は何千本もありますが、この研究は寄生虫の世界的な増加量が時間とともに、どのように変化してきたかを初めて調査したものです。

アニサキスはさまざまな魚介類やイカに寄生しており、肉眼でも確認ができます。人が食べると腸壁に侵入し、ほとんど症状が出ない場合もありますが、体内に入って数時間後に食中毒に似た症状を引き起こします。極めて激しい腹痛、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が続きますが、アニサキスは胃液に弱いためほとんどの場合、数日で死滅し症状は消え、重症化することはあまりありません。

また、症状が食中毒に似ており、欧米では生魚を食べる文化ではないためアニサキス症としてあまり診断されることがありません。アニサキスはまず海で孵化し、エビなどの小型甲殻類に寄生します。その後、小魚が感染した甲殻類を食べ、アニサキスが魚の中に移動し、大きい魚が感染した小魚を食べるという食物連鎖を経て我々の食卓へ上がります。

海外で生魚を食べる際は一層の注意が必要

人間はアニサキスに寄生された魚を食べると感染しますが、アニサキスは人間の腸管内で数日以上生存することができません。アニサキスは海洋哺乳類にも同様に生息しており、研究者たちによると、小売りスーパーなど海産物加工業者や熟練の寿司職人は、店やレストランに到着後にアニサキスを見つけて駆除することができるが、一部のアニサキスは見逃しているという。体長は大きいもので2センチにもなります。

研究者たちは、食べる前に虫がいないか確認するために、刺身や寿司を半分に切ることを勧めています。日本国内では生魚を加工する技術が発達しており、欧米に比べ発生件数も各段に低いですが、旅行で海外へ行った際には注意する必要がありそうです。万が一、魚介類を食べて激しい腹痛に襲われた時は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

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