ウミガメはプラスチックの「美味しそうなにおい」に引き寄せられることが判明

海に浮かぶプラスチックごみは、海洋生物に多大な悪影響を与えます。特に、プラスチックごみを食べ物と勘違いして食べてしまうことがあるウミガメにとって、プラスチックごみは致命的な問題とも言えます。米ノースキャロライナ大学チャペルヒル校は、ウミガメががプラスチックごみを食べ物と間違えて食べてしまう理由を特定する研究を行いました。

研究結果から、ウミガメがプラスチックごみを食べてしまうのは、海を漂うプラスチックから食べ物に似た臭いが発生しているからだということが明らかになりました。プラスチックごみが海面に浮遊しだしてから1週間程度で臭い始め、臭いの正体はプラスチックに付着した藻類や微生物だそうです。

これまで、ウミガメがプラスチックを食べる理由の一説として、海面に浮かぶプラスチックごみ、特にレジ袋が、クラゲの姿に似ているからと言われていました。研究チームによると、この研究はウミガメがプラスチックごみを食べる理由はプラスチックから発せられる臭いということを実証した最初の研究だそうです。 

実験では、プールに、カメの餌の臭い、海に浸したプラスチック、きれいなプラスチック、水を用意し、ウミガメの反応を観察しました。ウミガメはカメの餌の臭いと海に浸したプラスチックには、水面から何度も顔を出し鼻でつついたり、臭いを嗅いだりといった食べ物を探す時の行動を示しました。一方、きれいなプラスチックと水には反応を示しませんでした。

研究チームによると、若いウミガメは海面近くで食べ物を探し、プラスチックに遭遇しやすい傾向にあるそうです。大人のウミガメは海中や時には海底近くで食べ物を探す傾向にありますが、プラスチックをの誤食と無縁というわけではありません。研究チームは、プラスチックが海に流れた後に食べ物の様な臭いを発生させるのを防止する術はなく、プラスチックを海に捨てないことが海洋生物と環境を守るために大切だと訴えています。

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