ペット用のドライフードからボツリヌス菌が検出

アメリカ食品医薬品局(FDA)は3月23日の発表で、オーガニックペットフードで人気のある魚のおやつが、ボツリヌス菌汚染の危険性があるためリコールされた事を明らかにしました。FDAのガイドラインに決められたボツリヌス症を防ぐための基準を超えていたというのがその理由です。

ボツリヌス菌は1グラムで100万人分相当の致死量

FDAによりますと、リコールの決定はペンシルバニア州のペットフードブランドであるIcelandicPlusの商品であり、特に同社のCapelin Pet Treatsシリーズが該当します。この商品は、長さが13センチ以上の魚を使って作られたものもあり、ボツリヌス症の原因菌であるボツリヌス菌による汚染のリスクが高いことが発表されました。FDAでは13センチ(5インチ)を超える体長で内蔵除去のしていないフリーズドライ、塩漬け、そして発酵している商品はリコール対象になります。

Capelin Pet Treatsシリーズでは、まるごとのシシャモを乾燥させてつくられており、主に犬やネコのおやつとして人気があります。今のところ、この商品からボツリヌス菌が検出されたという報告はありません

しかし、FDAによるとボツリヌス症に伴う深刻な健康上のリスクがあるため、リコールは単に予防措置として行われているだけだそうです。このボツリヌス菌が生み出す毒素は、1グラムで100万人分の致死量に相当すると言われており、人間はもちろん、ペットでも重症化や最悪の場合、死に至る可能性があります。その危険性は汚染された製品を触れただけでも発症する可能性があるほど、自然界に存在する毒素としては最も強力です。

過去日本でも輸入ペットフードでボツリヌス菌検出された事がある

ボツリヌス中毒の患者は、一般的にめまい、呼吸障害、筋力低下、嚥下障害、会話障害、便秘などの症状が出る可能性があります。そしてペットの症状で特徴なのは神経症状を誘発します。通常、細菌による食中毒の症状と言えば、嘔吐、下痢、腹痛などがありますが、数ある食中毒のなかで、神経毒を産生するのはボツリヌス菌だけです。

最近では日本国内でも輸入ペットフードからボツリヌス菌が発見された事例もあり、ペットを飼っている方は、輸入品の製品に注意が必要です。

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