高タンパク質ダイエットは、減量に関しては確かに効き目があるかもしれません。ですが、心臓発作という観点から見ると、あまりお勧めできるダイエットではないようです。
ワシントン大学医学部が行った研究によると、高タンパク質ダイエットによって動脈プラークが増大することが、問題の根本にあるということです。
ダイエットには様々ありますが、減量が必要な肥満患者に対して医師が一般的に勧めるものに、高タンパク質・低炭水化物ダイエットがあります。この食事療法は、血糖値と空腹感をコントロールしやすいため、体重減少という面では確かに効果的です。しかしその一方で、議論の余地が残ります。
腎臓へのダメージと心臓発作のリスク
比較的最近の研究で、特に肥満の患者が高タンパク質ダイエットを行うと、腎臓にダメージを与える可能性が高いということが注目されました。さらに新たな研究によって、このダイエットが心臓面に与える影響についても問題提起されています。平たく言えば、心臓発作のリスクが上がる、というものです。
研究者は、このダイエットが、動脈に大量のプラークを発生させると言っています。中でもそのプラークが、特に不安定な状態であることから、破裂して動脈を閉塞する可能性が高くなるのだそうです。
この研究は、過去の一連の研究に基づくもので、高タンパク質ダイエットと、人間や動物の心臓との関連性に着目して行われました。
体重が増えないのは良いが、プラークが蓄積
マウスに高脂肪・高タンパク質の食事を与えると、高脂肪・低タンパク質の食事を与えたマウスと比較して、不安定プラークの蓄積が大きくなりました。マウスに1日のカロリーの46%をタンパク質の形で与えると、高脂肪・低タンパク質マウスほど体重が増えることはなかったのですが、動脈プラークが約30%増加していました。
通常は、マクロファージと呼ばれる免疫細胞が働いて、動脈にプラークが溜まらないように掃除をしてくれています。しかし、高タンパク質を与えられたマウスには不安定なプラークが蓄積し、そこからマクロファージの残骸が大量に見つかりました。これらのマウスは不安定なプラークの増加で、最終的に心臓発作につながるリスクが高まったのです。
減量が望ましい患者の場合、どうしても体重の減少をゴールに見据えることになります。また、それが医師から勧められたダイエット法となれば、安全だと思ってしまうのではないでしょうか。体重が減ってもそれで命を縮めては意味がありません。極端なダイエットを行わなくても済むように、普段からバランスの良い食事と、運動を心がけたいものです。
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