アルコール依存症の投薬治療に昔から使われる薬がダイエットの救世主に?

最近の研究では、アルコール依存症の治療に昔から使用されていた薬と肥満マウスの急速な体重減少が報告されており、肥満に対する新しい治療法の可能性が示唆されています。この研究は、米国立衛生研究所 (NIH) の米国立老化研究所が行ったもので、アルコール依存症薬ジスルフィラムを与えたマウスは、餌を与えただけのマウスよりもずっと早く体重が減少することを発見しました。

マウスの実験では確かな効果が認められる

NIHによると、ジスルフィラムはアルコール使用障害の治療に50年以上昔から使用されてきた薬剤で、健康な体重に戻すサポートをしながら、肥満に関連する代謝障害を防ぐこともできる可能性があるということです。この試験にはオスとメス両方のマウスに実験を行いました。

ジスルフィラムはアルコール依存症になると、アルコールを摂取すると吐き気を催す作用があります。研究者たちは、2型糖尿病のラットを治療するという薬の研究のために、代謝障害や肥満の場合におけるこの薬の潜在的な効果を検証することに興味を持ちました。

この実験では、実験用マウスの合計4群を12週間にわたって調査しました。1群は高脂肪食、もう1群は低用量ジスルフィラムと共に高脂肪食、さらにもう1群は高用量ジスルフィラムと共に高脂肪食、そして1群は標準食を与えた。マウスにこれらの食事をさらに12週間与えました。

その結果は驚異的と研究者を驚かせました。この研究では、ジスルフィラム群の過体重マウスは、高脂肪食を摂取したにもかかわらず、代謝障害と体重の両方が減少したことが明らかになりました。高用量のジスルフィラムを投与されたマウスは、4週間で体重の40%まで減少しました。また、両薬剤群のマウスは、薬を投与せずに標準食を与えたマウスと同様に血糖値の改善もみられました。

人間に同様の効果が表れるかは今後の研究に期待

NIAの科学者Michel Bernier博士は次のように説明しています。

最初にこの研究を始めた時は、何が起こるかわからなかったが、マウスの劇的な体重減少と体重減少を示すデータを見始めると、私たちはお互いに向き合い、自分の目を信じることができなかった。

この研究では、有益性は投薬による行動の変化ではなく、薬が直接効果をもたらした可能性が高い事がわかりました。研究の一環としてマウスを運動させたわけではなく、研究者は研究中にマウスの活動が増加したことにも気づきませんでした。また、この研究ではジスルフィラムの使用による有害性について言及していません。もちろん、これらの結果はマウスで効果があったことを報告するものであり、必ずしも人間に関係するものではなく、今後の研究に期待が寄せられています。

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