直4 vs 直6!北米トヨタ「スープラ」2021年モデルはどちらが「買い」か

トヨタの米国部門は「スープラ」の2021年モデルとして、3.0L エンジンのパワーアップを図るほか、新たに手頃な価格の2.0L モデルをラインナップに追加します(米国では初導入)。スポーツクーペというニッチなセグメントを切り開くモデルとして、充実したラインナップを展開するトヨタ・スープラ。米国市場において、3.0L 直6モデルと2.0L 直4モデルではどちらが「買い」なのでしょうか。

パフォーマンス向上を図った3.0Lモデル

3.0Lのスープラは新しいモデルイヤーに向けて、兄弟車であるBMW「Z4 M40i」と共有するパワートレインの強化を図りました。3.0L 直列6気筒ターボの基本構造は変わりませんが、パワーとトルクが現行モデルよりも向上しています。

北米仕様の2021年モデルは、最高出力382馬力/最大トルク499Nmを発揮。現行モデルから47馬力/4Nmのアップとなります。エンジンの圧縮比を変更し、ピークパワーは5,000rpm(現行は5,800rpm)、ピークトルクは1,800rpm(現行は1,600rpm)で到達します。

これにより、0~96km/h 加速が3.9秒と、タイムを0.2秒短縮することに成功。最高速度は電子ロックによって250km/hを維持していますが、一方で、燃費は若干悪化しました。市街地で24mpg(10.2km/l)⇒ 22mpg(9.4km/l)、高速道路で31 mpg(13.2km/l)⇒ 30mpg(12.8km/l)、平均で26mpg(11km/l)⇒ 25mpg(10.6km/l)と変化しています。

トランスミッションはZF製8速ATのみの設定で、MTを待ち望んでいたユーザーには残念なニュースかもしれません。

リーズナブルで使いやすい2.0Lモデル

2021年モデルで新しく米国に導入される2.0L仕様は、期待の大きいエントリーグレードです。彫りの深いボンネットの下に2.0L 直列4気筒ターボを搭載しており、これもBMWとの共有部品です。

最高出力255馬力/5,000 rpm、最大トルク400Nm/1,550 rpmを引き出しますが、これは3.0Lモデルよりも低い回転数でピークトルクを発揮することになります。回転域の低い街中では、より使いやすいエンジンです。エントリーグレードだからといって、決して走りが “生ぬるい” わけではありません。3.0Lモデルよりも90kg以上軽量化されていることから、ハンドリングの向上も期待できます。

上位の3.0Lモデルと同じZF製トランスミッションを搭載しており、0~96km/h のタイムは5.0 秒。米国EPAの燃費はまだ公表されていませんが、参考までに同じエンジンを搭載した兄弟車のBMW「Z4 sDrive30i」では市街地24mpg(10.2km/l)、高速道路32 mpg(13.6km/l)、平均27mpg(11.5km/l)となっています。この通りとはならないでしょうが、エンジンの小型化と軽量化により、当然ながら3.0Lモデルよりも良好な数値を示すはずです。

ホイールは18インチ(3.0Lは19インチ)を装着し、ブレーキもやや小型です。 3.0Lが13.7インチディスクと4ピストンキャリパーを装備しているのに対し、2.0Lでは13インチディスクとシングルピストンキャリパーとなっています。とはいえ、サーキットでの走行性能を求めない限り、問題にはならないでしょう

2.0L vs 3.0L – どちらが「買い」か?

果たして、米国ではどちらがユーザーの心をつかむのでしょうか? 2021年モデルのスープラは、「more」が必ずしも「better」ではないことの一例となるかもしれません。

どの車でも最上位グレードは魅力的であり、スープラの3.0Lモデルもうまく完成されていると言えるでしょう。しかし、街乗りがメインであれば、その豊かなパフォーマンスは持て余してしまいます。2.0Lモデルは、日常にスポーティな成分を含ませたいと考えながら、そこまで過激な性能は求めていないドライバー(おそらく過半数)にとってスイートスポットとなるでしょう。

両モデルとも外観に大きな違いがないことも(ホイールやテールパイプなど細かい差はある)、迷いを生じさせる要因のひとつです。ただし、インテリアや快適装備には差があります。Apple CarPlay対応の8.8インチ タッチスクリーンは標準装備ですが、フルレザーシート(ヒーター付き)、ヘッドアップディスプレイ、高音質のオーディオシステムなどを望むのであれば、3.0Lモデルを選ぶ必要があります。

サーキット走行用やセカンドカーとして買うのであれば3.0Lモデル、街乗りメインであれば2.0Lモデルが「best」と言えるかもしれません。価格については、今年後半に発表される予定です。

なお、日本仕様では、同様の改良を受けた2021年モデルが今年秋に発売されることになっています。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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