最高峰のハイブリッド技術:マクラーレン「スピードテール」速さの秘密

マクラーレン「スピードテール」についての詳細は乏しく、明らかにされていない情報も多くあります。2018年に初めて発表されたスピードテールは、マクラーレンがこれまで生み出したモデルの中でも最速であり、最高速度403km/hを達成することができるとされています。マクラーレンはスピードテールの速さの秘密を明らかにしましたが、それはすべて、高度に進化したハイブリッドパワートレインに起因するものでした。

スピードテールはマクラーレンのスポーツカーの中で最も速いだけでなく、市販のハイブリッド車・電気自動車の中で最も高いバッテリー出力を有しています。また、新しいバッテリー冷却システムを搭載し、ピークパワーを長く維持できるようにしました。スピードテールは、空力性能を高めた滑らかなボディスタイルと相まって、0~300km/hまでわずか12.8秒で加速し、最高時速は403km/hに達します。

しかし、それは単に空力や冷却効率のみによる成果ではありません。高度にチューニングされたツインターボチャージャー付き4.0L V8エンジン「M840 TQ」を搭載しており、最高出力747馬力/最大トルク800Nmを発生。興味深いことに、このエンジンはマクラーレン「765LT」に搭載されているものと同じエンジンで、発揮するパワーはほぼ同じです。しかし、M840 TQの「Q」は、このパワートレイントレインがハイブリッドであることを表しています。

スピードテールに搭載されているのは、とんでもないハイブリッドシステムです。電気モーター1基で、なんと308馬力を発生させています。計算してみると、スピードテイルの合計出力は1,055馬力、最大トルクは1,150Nmにも上ります。先述の 0~300km/hの驚異的な加速力も不思議ではありません。モーターはフォーミュラEから流用し、トリックインバーターとDC/DCコンバーターにより駆動システムを構築しています。

マクラーレンによると、スピードテールの革新的な高電圧エネルギー貯蔵システムも賞賛に値するといいます。円筒形の1.647kWhバッテリーは、コンパクトな形状で“ユニーク”に配置。現在生産されているどのバッテリーよりも最高のパワーウェイトレシオを実現し、マクラーレン「P1」に搭載されているバッテリーの4倍のパワー密度を有します。同社曰く、このバッテリーの出力は270kWに達するとのこと。

一方、最先端のバッテリー冷却システムも注目に値する優れものです。バッテリーにとって熱は最大の課題の1つであり、耐久性に大きな影響を与えます。マクラーレンによれば、スピードテールのバッテリーは「誘電冷却システムによって制御」され、絶縁性のオイルに浸されていて「熱を素早く放出する」とのこと。この冷却システムは公道向けの市販車では初のもので、これによりバッテリーの劣化に悩まされることなく、出力を長く維持できると謳われています。

スピードテールは106台の限定生産で、価格は230万ドル前後(約2億4,500万円)となっていますが、すでに完売しています。106台すべて、イギリスのウォーキングにあるマクラーレン・テクノロジーセンターでハンドメイドで製造される予定です。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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