風を楽しむSUV:VW「T-Roc カブリオレ」欧州デビュー

フォルクスワーゲン最新の「T-Roc カブリオレ(T-Roc Cabriolet)」は、ブランド初のコンバーチブルクロスオーバーです。プラットフォームには「ティグアン」やアウディ「A3」「TT」などと共通のMQBを採用。コンバーチブルとSUVの両方の世界を楽しめる爽快なモデルです。

欧州で販売しているコンパクトクロスオーバー「T-Roc」をベースとするカブリオレですが、どこかセダン風のボディスタイルとなっています。サイズは、全長4,268mm/全幅1,811mm。通常のT-Rocよりも34 mm長く、バッグや荷物、またはお気に入りのビールケースを運ぶために284Lのラゲッジスペースを備えます。ドアは2枚しかなく、後部にはベンチシートがあるだけなので、T-Rocほど広くなく、後部座席は使いやすいとは言えません。しかし、ベンチシートを倒すことでトランクスルー機構を使用できます。

注目すべきポイントは電動油圧式ソフトトップです。時速約32km/h以内で、9秒でオープン、11秒でクローズできます。突然の雨でも濡れる心配なく、どんな天候でもドライブできるでしょう。サイドパネルの継ぎ目には水の流れ道を設け、水密性を確保しています。

スタイリングの面では、クロスオーバーというより一般的なコンバーチブルという雰囲気があります。VWによると、T-Roc カブリオレは、現在では廃盤となった「ゴルフ カブリオレ」のスピリットを引き継ぐモデルであるとのこと。

屋根のないクロスオーバーとして、安全性にも十分配慮されています。フロントガラスフレームの強化に加えて、後席ヘッドレストの後ろにロールオーバープロテクションを設置。また、二重のリアフロアパネルとBピラー間のリアストラットを採用し、強度と剛性を高めています。

エンジンは、2種類のターボエンジンを搭載したガソリン仕様に限定されています。ベースモデルには114馬力の1.0L 直列3気筒エンジン、上位グレードには148馬力を発揮する1.5L 直列4気筒を搭載しています。トランスミッションは6速MTが標準で、7速デュアルクラッチATもオプション設定されています。

歴史を振り返ってみると、コンバーチブル仕様の奇抜なSUVは、日産「ムラーノ・クロスカブリオレ」やレンジローバー「イヴォーク コンバーチブル」などが存在することから、ニッチな需要があるのかもしれません。ただ、これまでは少々高額でした。

しかし、新型VW「T-Roc カブリオレ」は27,495ユーロ(323万円)からと、リーズナブルな設定となっています。今春から欧州のディーラーで発売されます。残念ながら、日本への導入時期は不明。北米でも販売される予定はありません。ただ、通常の「T-Roc」は今年中に日本上陸が予定されているようなので、そちらを楽しみに待ちましょう。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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