カメラを装備した車は、今や珍しくありません。車載カメラは通常、外向きに取り付けられていて、予防安全や自動運転などのために使われます。しかし、カメラが車内に向けて設置され、人の姿を記録する車が市販されてことはご存知でしょうか。Tesla「Model3」のオーナーであれば、車内に小型のカメラが取り付けられていることには気付いているでしょう。CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、カメラはプライバシーを侵害するものではないと主張しています。しかし、同社が当初の目的を超えないという保証はどこにもありません。
Tesla Model3の車内に向けられたカメラは、Musk氏の壮大な計画「Tesla Network-テスラ・ネットワーク―」の一部です。この無人タクシーサービスでは、ドライバーはおろか補助役の人間も搭乗しないため、Teslaには乗客を監視し、不適切な行為の証拠を記録する方法が必要でした。Musk氏も、その事実を認めています。
同時に、Model3に搭載されたカメラが、もう何年も使われていないことも事実です。説明書を読む限りでは、現時点では機能しておらず、将来のアップデートで機能が追加された際に使用する、とされています。Teslaのソフトウェア技術であれば、無人タクシーでの使用のほか、Autopilot(半自動運転)システムとの接続も可能でしょう。もちろん、インターネットに接続されていれば、ハッカーがあなたの車をのぞき見るリスクを作ることになります。
Teslaがこのカメラの用途を、何年も開発中のユースケース(使用事例)だけに限定するとは考えにくいでしょう。同社の動向を見る限りでは、さまざまな用途にカメラが使用される可能性があります。例えば、よりパーソナライズ化された満足度・快適性のためにドライバーを識別することから、「車内カラオケ」を記録することまで、あらゆるものが予想されます。また、セキュリティ機能「セントリー・モード」と連動して、車上荒らしなどを記録することもできるでしょう。
とはいえ、それらがいつ実現するのかは現時点では不明です。Model3のデビューから3年経った今でも、車内カメラが使われたことはありません。Teslaの名誉のために書いておくと、プライバシーの侵害は記録されていませんし、少なくとも今まで聞いたこともありません。
もしあなたがTeslaの社員だとしたら、このカメラをどう使いますか?
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