復活のクロカン:Ford「Bronco Sport」について知っておくべきことトップ3

Fordは25年ぶりにSUVモデル「Bronco(ブロンコ)」を復活させようとしています。北米を代表するSUVとしてその名を知る人も多いかと思いますが、今回大きな反響を呼んでいるのは、FordがコンパクトなBroncoを発表したことです。これは「Bronco Sport(ブロンコ・スポーツ)」と名付けられていることが確認されました。この“Baby” Broncoは、コンパクトカー「Focus(フォーカス)」や小型SUV「Escape(エスケープ)」らとプラットフォームを共有しており、兄貴分のBroncoよりも低い価格設定でスタートする予定です。

新しいFord BroncoとBronco Sportはこの3月中に正式発表される予定でしたが、COVID-19により中止。ただ、人類の約1/5が、拡散するコロナウイルスを抑制するために何らかの検疫またはロックダウンを行っている中、BroncoSportforum.com(英語版特設サイト)は、2021年発売予定のFord Bronco Sportの流出したVINデコーダー(車両識別番号)を入手することに成功したようです。

ここでは、Fordの最新コンパクトSUV、Bronco Sportについて知っておくべき3つのことをご紹介します。SUV人気が過熱している今、さまざまモデルが各メーカーから登場していますが、SUV発祥の地である米国がコンパクトSUVを作るとどのようになるのか、その答えの1つと言えます。欧州勢にもアジア勢にも真似できない独特のスタイルを持つ、質実剛健なクロカンです。

ベースは1.5L 3気筒EcoBoostエンジン

リークされたVINデコーダー。右中央にパワートレイン、その下に各グレードが表記されている。

新しいFord Bronco Sportは先述の通り、Focus/Escapeのプラットフォームを採用していることもあって、Escapeと同じパワートレインを搭載しています。ベースグレードが搭載するのは“Dragon”と呼ばれるターボチャージャー付き1.5L 直列3気筒エンジンで、小型でありながら最高出力180馬力を引き出すことができます。

より大きなバージョンも用意されており、最大250馬力、280ポンド・フィート(380Nm)のトルクを発揮するターボチャージャー付き2.0L 4気筒エンジンです。よく見ると、流出したVINデコーダーでは両エンジンの出力を明記していないため、生産開始時にいくつかの変更が発生する可能性があります。しかし、ある程度の推測は可能なため、Bronco Sportがどのような走りを見せてくれるのか想像するのは難しくありません。

一方、トランスミッションの設定は現時点では誰にもわかりませんが、ベースグレード向けにMTが用意されるほか、上位グレードでは8速ATが装備されるものと予想されます。

全輪駆動方式が全グレード標準仕様

これまでは駆動方式が前輪駆動(FF)ベースになる可能性も示唆されていましたが、VINデコーダーを見る限りそれはなさそうです。リークされた文書によると、2021年モデルFord Bronco Sportのすべてのグレードにおいて、全輪駆動システム(AWD)が標準仕様となるとのこと。

これは、タフでどこにでも持ち運べる小型SUVというイメージを確固たるものにするだけでなく(米国では発売されないスズキ「ジムニー」のように) 、AWDの標準装備は同クラス内でBronco Sportを際立たせるものとなるでしょう。Fordにとっては、都市志向SUVのEscapeと、ワイルドなBronco Sportのイメージを明確に区別できる点もメリットです。

1966年から1986年までに生産されたBronco(1~3代目)はすべて全輪駆動方式だったので、その伝統をリバイバルさせることによる意義もあるのでしょう。

5つのグレード展開

Ford Bronco Sportは、「Base」「Big Bend」「Outer Banks」「Badlands」「First Edition」の5つのグレードで構成されます。中でもBadlandsは最もタフなグレードで、分厚いクラッディング(フェンダー部分の樹脂部品)とヘビー級のタイヤを備えていると推測されます。First Editionは初期生産限定グレードのため、価格は高めに設定されるはずです。

Fordは現在、GE(ゼネラル・エレクトリック社)のヘルスケア部門と提携して、COVID-19の治療のために5万台の人工呼吸器を製造することになっています。物事の優先順位を考えても、BroncoおよびBronco Sportの正式なデビューまではもう少し待たなければならないでしょう。

それにしても、JeepやGMC「Hummer」など、米国発のSUVは常に見る者をワクワクさせてくれる不思議な魅力を持っていますね。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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