EVメーカーのKarma Automotive(カルマ・オートモーティブ)は、EV向けの「E-Flex Platform(Eフレックス・プラットフォーム)」をアピールするために、効率化および高速化に欠かせない最先端のコンポーネントへの適応を謳っています。格好のいいスポーツモデル「Revero GT(リヴェーロGT)」で人々の目を引くだけでなく、実用性におけるアピールを強めている形です。Karmaが新開発のE-Flex Platformを発表したのは先週のこと。このプラットフォームは、同社のハイブリッドスポーツセダンに採用しているものと同じ基本アーキテクチャーですが、さまざまな電動モデルを生み出す原点となることが期待されています。
現在、Karmaのラインナップはごく限られたものです。Revero GTおよび「Revero GTS」に加え、2019年後半に披露された新型のEVスポーツクーペ「SC2」など少数にとどまります。単なる少量生産の限定車メーカーとして歩むのであれば、特に言うことはありません。
しかしKarmaは、成功のために車の販売だけに頼るつもりはないようです。同社は、E-Flex Platformをライセンス供与することで、他社のEVやハイブリッド車を下支えしようとしています。このプラットフォームは将来的に、低価格帯の乗用車からスーパーカー、さらには自動配送車まで、あらゆるものに対応できるようになるとKarmaは述べています。
重要なのはKarma Traction Inverter(トラクションインバーター)です。同社は、2つの新しい炭化ケイ素(SiC)インバーターが開発の最終段階にあると述べています。
トラクションインバーターの役割は比較的単純です。バッテリーに蓄えられたDC(直流)エネルギーをAC(交流)エネルギーに変換し、電動モーターに電力を供給するというもの。回生ブレーキ作動時には反対に、ACエネルギーをDCに変換してバッテリーに蓄えます。
役割そのものは単純かもしれませんが、コンポーネントのパフォーマンスに大きく影響します。非効率的なトラクションインバーターは、EVの性能や航続距離を最大化しません。つまり、大きなバッテリーと強力なモーターが搭載されているにもかかわらず、車はその潜在能力を発揮できないということです。
SiCは、従来の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)よりも効率的かつ効果的なインバーターを作ることができるので、多くの企業の注目の的となっています。Revero GTとGTSにはすでに採用が確認されています。Karmaが最も主張したいアピールポイントは、自社製SiCパワーインバーターが現在市場に出回っており、EVの充電速度に応じて400Vと800Vの両方のシステムを備えているということです。
確かに大きなメリットではありますが、Karmaがレッドオーシャン化しようとしているEVプラットフォームの市場で生き残るためには、いかなるサポートも受け入れる必要があります。Karmaは今、Rivianなどの新興のライバル企業と同様に、VWのような業界大手との激しい競争に直面しているのです。
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